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『下剋上球児』最終回は運命の一戦、エースピッチャーの覚醒が甲子園へのカギか

『下剋上球児』最終回は運命の一戦、エースピッチャーの覚醒が甲子園へ導くかの画像1
TBS 日曜劇場『下剋上球児』公式サイトより

 弱小高校がミラクルを起こした。鈴木亮平が主演を務める日曜劇場『下剋上球児』(TBS系)の第9話が12月10日に放送された。舞台となる三重県屈指の強豪校・星葉高校との夏の大会・準決勝は、手に汗握るシーソーゲームとなり、エンディングは劇的なものとなった。

 鈴木亮平演じる南雲脩司が弱小高校の越山高校野球部に就任してから2年半にも及ぶ青春ドラマの本作品。南雲が教員免許を持たないことが発覚し教職を追われ、一度は離れ離れになった南雲と越山高校野球部だったが、部員やかつての同僚、南雲の人柄をよく知るまちの人々の後押しもあり晴れて監督に復帰した。そこから1年にわたるトレーニングや練習試合の日々を経て、2018年の夏の三重県大会では準々決勝突破という快進撃をみせる。第9話は決勝を懸けた大一番・星葉高校との一戦が描かれた。

 前話で発表された越山高校のスターティングラインナップは奇策といえる内容だった。エースナンバーを背負う翔(中沢元紀)が先発から外れ、4番バッターの楡(生田俊平)が3番に繰り上げられ、右打者と左打者が交互に連なるジグザグ打線は、南雲の恩師であり星葉高校を率いる賀門(松平健)も警戒するほどだ。

 しかし、越山高校の出だしはアクシデント続きとなった。これまでチームを支えてきた野球部部長の山住(黒木華)が練習中に受けた打球の影響で倒れ病院に搬送され、部員に動揺が広がる。山住の容態だけでなく星葉高校の迫力のある応援もあり、先発投手の根室(兵頭功海)は制球が定まらず、守備陣もエラーを重ねあっという間に先制されてしまう。

 不甲斐ない越山高校ナインを奮起させたのは南雲の挑発に見える?咤(しった)激励だった。もとは素行が問題視されてきた野球部員たちである。「相手にビビってんのか?」「えつざん高校の『ざん』は『残念』の『ざん』か?」とあおられた部員たちは応援団が心配になるほど激高する。それが効果てきめん、上位打線の2連打であっという間に同点に追いついた。

 その後リードしたものの、楡と久我原(橘優輝)が不運にも交錯して逆転された。これが下剋上ストーリーにふさわしいシチュエーションとなった。9回裏・ツーアウトからランナーを増やした場面に代打で登場したのは、まさかの翔だった。対するピッチャーは中学時代に同じチームでプレーした児玉(羽谷勝太)だ。翔は星葉高校へ入学が叶わず越山高校に来た経緯があり、祖父・犬塚(小日向文世)とともに打倒星葉を掲げて努力してきた。その悔しさを乗せて振ったバットは外野の間を深々と破り、サヨナラ逆転勝ちにつながった。翔が抱き続きてきた劣等感が払しょくされた感動的な結末となった。

 12月17日の最終回では甲子園出場の最後の砦、三重県大会の決勝戦を迎える。結束力と自信を深めた越山高校だが不安材料は残る。攻撃の切り込み隊長である久我原はケガの影響から不出場が濃厚だ。そして星葉高校戦を一人で投げ抜いた根室の疲労も気になるところだ。根室に関しては気になる描写があった。試合後にスカウトに声をかけられ、チームメイトたちは羨望のまなざしで見つめる。準決勝で最速140キロを記録し、大学野球界、はたまたプロ野球球団からの声掛けも夢ではないが、根室は浮かない表情だった。困窮する家庭環境を思い進学に消極的なこと、いま野球できることが幸せでありその後も進路は考えていないことなどが理由として考えられるが、最悪のケースとして“ケガ説”がある。100球を優に超える完投だっただけに、肩やひじを痛めた可能性は十分にある。「もうこれ以上投げられないからスカウトされても……」という表情だったとしたら、これまで南雲やチームメイトに支えられながら成長してきた愛されキャラだけに切なくなる。その一方で、根室の無念の離脱に奮起し、翔がエースとして甲子園に導く展開もあり得る。

 予告動画ではスタンドを越山高校のグリーンカラーが埋め尽くす風景が映った。弱小高校の下剋上ストーリーはどのように完結するのか注目したい。

■番組情報
日曜劇場『下剋上球児』

TBS系毎週日曜21時~
出演:鈴木亮平、黒木華、井川遥、小泉孝太郎、中沢元紀、生瀬勝久、小日向文世、松平健 ほか

脚本:奥寺佐渡子
原案:「下剋上球児」(菊地高弘/カンゼン刊)
音楽:jizue
主題歌:Superfly
プロデュース:新井順子
演出:塚原あゆ子、山室大輔、濱野大輝
編成:黎 景怡、広瀬泰斗
製作:TBSスパークル、TBS

公式サイト:https://www.tbs.co.jp/gekokujo_kyuji_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/12/17 12:00
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