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波瑠“久留米”は魔性の女?『グレイトギフト』突然の「愛の告白」の狙い

波瑠久留米は魔性の女?『グレイトギフト』突然の「愛の告白」の狙いの画像1
テレビ朝日『グレイトギフト』公式サイトより

 2月1日に『グレイトギフト』(テレビ朝日系)の第3話が放送された。命を助けるはずの大病院で巻き起こる殺人球菌『ギフト』を利用した連続殺人事件。その中心で糸を引く悪徳病院理事長の魔の手は、ついに病院外にまで浸食し始めた。そして思わぬ恋模様も飛び出し、サスペンスドラマは混とんとしてきた。

 国の中枢人物をも診療する大病院・明鏡医科大学付属病院に勤務する病理医の藤巻(反町隆史)は、心不全でなくなった遺体から未知の殺人球菌『ギフト』を発見する。接種者を心不全にいたらしめる殺傷能力、死後間もなく跡形もなく消滅する特性をもつ『ギフト』の稀有な力に魅了されながらも、秘密裏に培養・研究することに苦悩する藤巻。しかし、藤巻が相談した相手が悪かった。善良な心臓外科医と思われた白鳥(佐々木蔵之介)が『ギフト』を悪用し、医療界のならず者を排除し、自身の理想の世界をつくることに着手し始めた。その片棒を担がされることになった藤巻は良心の呵責(かしゃく)に苛まれ始める。

 第3話では白鳥にゆすりたかりを働いた病理医・伊集院(盛山晋太郎)が『ギフト』により始末されてから、院内の主要人物もさすがにきな臭さを感じ始めたようで、藤巻の同期であり白鳥の部下である心臓外科医・郡司(津田健次郎)は、藤巻に“白鳥の殺人封じ”を持ちかける。藤巻の教授昇格に嫉妬心をあらわにするなど、上昇志向の強い郡司だけにあやしさ満点だったが、やはり郡司は“悪”だった。医学系大学連合会議の議長役職を白鳥に献上するべく、白鳥のライバルである医師・大泉(西岡徳馬)のワインに『ギフト』を混入させる。大泉の死後も淡々とアリバイ作成、ついでに低気温下での『ギフト』の状態を観察するなど、用意周到にミッションを完遂し、利用できるものは無駄なくねぶる精神は「さすが白鳥の部下」といったところか。悪になり切れない藤巻よりも扱いやすい人間性からも、今後も白鳥の腹心として暗躍することは間違いない。

 ただ、『ギフト』の存在を知る者が増えるということは、また一人犠牲者が増えることは避けられないかもしれない。郡司の不倫相手は看護師長・鶴下(片山萌美)であり、カバンなどに所持する『ギフト』を見つける可能性はゼロではない。そして、高級ラウンジを経営しあらゆる男を見てきた安曇(倉科カナ)は、藤巻の振る舞いから直近の変化を察知。自身に想いを寄せる病院の事務長・本坊(筒井道隆)を利用して、その理由を調査させる。本坊は藤巻専用の研究ルームに日頃から出入りできる数少ない人物だ。藤巻不在時に保管されている『ギフト』を発見したとしたら、喜び勇んで部外者である安曇に流出させる展開もあり得る。

『ギフト』を最初に病院に持ち込んだ“黒幕”だが、ついに藤巻が問い詰めるシーンがあった。疑いを向けた相手は同僚の検査技師の久留米(波瑠)だ。久留米は頭脳明晰で仕事ができ、オンオフをはっきりさせる合理的人間。それにもかかわらず、『ギフト』研究という危ない橋を渡る藤巻の手伝いをする“不合理な行動”が、藤巻には自身を隠れ蓑(みの)に研究を進めようとする黒幕に映ったのだ。藤巻の問いかけに対し、久留米は「犯人ではない」と答え、なぜ藤巻に協力しているのかとの問いには「藤巻さんに好意を抱いているのかもしれません」とまさかの告白。以前から不倫関係を疑われていた2人だが、ドラマが進むにつれて不器用さや一本気なところは似ているような……。土壇場で機転が利く藤巻同様に、久留米も黒幕であることを隠すために「好意がある」と言った可能性もある。告白の真意はいかに、第4話で明らかになることを期待したい。

 第4話の予告動画では「院外感染」という物騒なワードも飛び出している。一人二人と『ギフト』の犠牲者が増えるとなれば、『ギフト』の使い手が増えているのかもしれない。白鳥や郡司といった冷静沈着な人物ならまだしも、感情最優先の歯止めの利かない人間に渡れば大量殺人も現実味を帯びる。『ギフト』の猛威が目前に迫るなか、藤巻は対抗策を見いだせるのか。そして久留米との恋模様の行方は……。

■番組情報

木曜ドラマ『グレイトギフト』

テレビ朝日系毎週木曜21時~

出演:反町隆史、波瑠、明日海りお、坂東彌十郎、津田健次郎、倉科カナ、尾上松也、佐々木蔵之介 ほか
脚本:黒岩勉
音楽:得田真裕
主題歌:JUJU『一線』
演出:本橋圭太、星野和成
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:髙野渉(テレビ朝日)、菊池誠(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日

公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/greatgift/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2024/02/08 12:00
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