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大谷翔平、フジと日テレに激怒の背景に米国の犯罪事情…同僚は「自宅知られるな」と助言

大谷翔平(写真Getty Imagesより)

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平が日本テレビとフジテレビの「新居」報道に激怒し、取材パスを凍結する「出禁」扱いにしたとする騒動が拡大している。「メジャーリーグ機構(MLB)が調査に乗り出したようだ」とまで報じられているが、騒動の背景にはアメリカの犯罪事情や防犯意識があるようだ。

 騒動の発端となったのは、大谷がロサンゼルスのドジャー・スタジアム近くに785万ドル(約12億3000万円)の豪邸を購入したこと。5月22日に地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」などが報じると、日本テレビとフジテレビの情報番組が空撮映像や新居周辺からのリポートなどを交えて特集し、フジは近隣住民へのインタビューも実施。大谷の新居だと知らなかった住民は「大谷がご近所さんになるなんて!」と驚きの声を上げていた。

 一見すると「よくある報道」にも思えたが、6月12日付の「現代ビジネス」(講談社)は「大谷が報道に激怒し、日テレとフジは『出禁』処分になった」と報道。両局はドジャースから貸与されていた「取材パス」を凍結され、大谷の過去映像の使用なども制限されることになったという。

 数日後には、米メディアも「ドジャースが日本テレビとフジテレビのメディア資格を取り消した」と報じ、出禁処分が事実である可能性が極めて高くなった。この騒動については、ネット上で「いくら大谷でも出禁処分はやり過ぎ」といった意見もある。だが、大谷には激怒するだけの理由があったようだ。

 新居の報道があった後、大谷が購入した豪邸の周りには観光客が集まるようになったといい、多くの人が「大谷の自宅がここにある」と認識するようになってしまった。アメリカでは、セレブ宅をターゲットにした空き巣事件が多発しており、メジャーリーガーも狙われている。大谷は世界屈指の「高給取り」であり、新居がこれだけ大々的に報じられてしまえば、窃盗団などの標的にされる可能性が高まる。

 昨年、ドジャースだけでもフレディ・フリーマンら複数の選手が窃盗の被害に遭っており、大谷に背番号「17」を譲ったジョー・ケリーは「どこでも好きな場所に住めるが、自分の住まいを決して他人に知られないこと。空き巣に入られるかもしれないから」「年に1回は、車や家が狙われる危険にさらされる可能性がある」と大谷に助言していた。

 大谷は遠征などで家を空けることも多いだろうが、自宅に残った真美子夫人が一人でいる時に犯罪者たちが押し入ってくるような最悪の事態も危惧される。また、米国では人気犬種のペット犬が連れ去られる事件が増加しており、大谷の愛犬デコピンに危険が及ぶ恐れもある。

 大谷の怒りは当然のようにも思えてくるが、テレビ局にも言い分はあるようだ。大谷の新居については現地の地元メディアが空撮などを交えて先に報じており、日テレとフジの報道は「後追い」だった。現地メディアが報じているのだから問題ないだろうという認識だったとみられる。

 しかし、セレブの豪邸購入などのニュースにおいて、近隣住民へのインタビューは米メディアであまり使われない手法で、これが「周囲の人に迷惑がかかるのを非常に嫌がる」といわれる大谷の逆鱗に触れる決定打になった可能性があるようだ。

 日テレとフジに厳しい態度を見せているのは大谷や球団だけにとどまらないようで、発売中の「女性セブン」(小学館)は「メジャーリーグ機構まで調査に乗り出しているようで、日本のテレビ局が今後より重いペナルティーを受ける可能性もささやかれている」と報道。もしMLBが報道を問題視すれば、両局はドジャースや大谷に限らず、メジャーリーグ全体の取材で制限を受けることになるかもしれない。

 国民的スーパースターの大谷の取材に加え、もしメジャー全体からも「出禁」となれば、テレビ局にとってはあまりにも大きな痛手。一部では「大谷の激怒は今回の一件がすべてではなく、今まで積み重なっていたメディアへの不信感が爆発したからでは」といった指摘もあるが、日テレとフジは大谷の怒りを解いて関係を修復することはできるだろうか。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2024/06/22 10:00
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