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アレのどこが面白いの?~企画倉庫管理人のエンタメ自由研究~

宮迫博之の牛宮城“人が感動をするパターン”に入っている

宮迫博之の牛宮城は人が感動をする絶対的なパターンに入っているの画像1
牛宮城 公式サイトより

 放送作家の深田憲作です。

企画倉庫」というウェブサイトを運営している私が「あの企画はどこが面白いのか?」を分析し、「面白さの正体」を突き止めるための勉強の場としてこの連載をやらせてもらっています。

 今回のテーマは「宮迫博之さんが経営する焼き肉店の牛宮城」についてです。

 牛宮城は、YouTube上の1本のドッキリ動画をきっかけに、人気ユーチューバーのヒカルさんと共に焼き肉店経営を画策し、試食会での商品の品質のひどさに怒ったヒカルさんがチームを脱退。渋谷の一等地で1カ月の家賃が280万円というお店のオープンはしばらく延期となり、0から経営体制を見直し、ヒカルさんがチームに電撃復帰。そしてお店がオープン。ざっくり説明するとこんな感じです。

 ホリエモンさんやひろゆきさんなど、ビジネス成功者界隈の人たちも口をそろえて「うまくいかないだろう」と予想したこの焼き肉店ですが先日、中田敦彦さん、山本圭壱さんと行っているYouTubeの番組「Win Win Wiiiin」で宮迫さんは「予約の受付を開始後すぐにソールドアウト」「月の利益が1000万円ある」といった旨を話していました。

 もちろん、飲食店は5年以上、いや10年続いて初めて成功と言えると思いますし、これだけ国民を巻き込んで話題となりましたから、今の時点で盛況であることだけでは“成功”とは言えないでしょう。

 しかし、個人的には飲食店ではなくエンタメの観点から見るとすでに成功と言えるのではないかと感じています。いや、成功・失敗という論点も違うのかもしれません。「エンタメとして面白い要素が詰まっている」と思いながら見ています。

 私も最近、ある本を読んで知ったのですが、エンタメに関する学術的な研究で解明された“世界的に有名な言葉”があるそうです。それが「人が感動をする絶対的なパターンがある」というもの。そのパターンというのが「運命的な試練に対して、克服を完遂した人間の物語」だそうです。さらに詳しく掘り下げると「どこか今の世界とは違う世界に旅立ち、試練を受け、帰ってくる」というストーリー。ジョージ・ルーカスはこのパターンをもとに『スター・ウォーズ』を制作したそうです。

『スター・ウォーズ』に限らず『風の谷のナウシカ』『ワンピース』などの名作はこのパターンに沿った物語になっていることが多いんだとか。私が読んだ本の中では、その他に“人が感動する物語の要素”としては「主人公は常に受動的に使命に巻き込まれる」「教えを導く者・敵の存在がある」なども書かれていました。

 そう、宮迫さんの牛宮城の一連のストーリーにはこの「人が感動をする絶対的なパターン」の要素が多分に含まれているんです。お笑い芸人である宮迫さんが別世界である飲食店の経営に乗り出し、さまざまな試練に巻き込まれ、世間からのバッシングという敵と戦い、焼き肉店経営の専門家たちからの教えを受け、仲間と共に成功に向かっていくストーリーです。

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