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抗日映画と噂された歴史超大作がついに日本公開!

日本統治下の台湾で起きた大量殺戮事件の真相! 異文化との軋轢が呼んだ悲劇『セデック・バレ』

SeediqBale1.jpgジョン・ウーが製作、韓国から『オールド・ボーイ』(03)のアクションチーム、
日本から種田陽平が美術デザインで参加した歴史大作『セデック・バレ』。
4時間36分の完全版での日本公開だ。

 価値観の異なるもの同士がぶつかり合ったとき、そこには莫大なエネルギーが生じる。男と女の出会いならラブロマンスが生まれるかもしれないが、異なる民族が遭遇した場合、とんでもない悲劇が起きてしまう。映画史上空前の大ヒットとなったジェームズ・キャメロン監督の『アバター』(09)しかり、日本映画史の興行記録を塗り替えた宮崎駿監督の『もののけ姫』(97)しかり。製作費20億円が投じられた台湾映画『セデック・バレ』もそうした異文化間の衝突を描いた歴史超大作だ。1930年、日本統治下の台湾で起きた「霧社事件」を克明に描いたノンフィクションドラマである。

 「霧社事件」とは台湾の山岳地帯で暮らしていた原住民が日本の統治を嫌い、霧社公学校で開かれた運動会の最中に一斉襲撃を始め、日本人134人を殺害した武装蜂起事件。原住民は“出草”と呼ばれる首狩り行為を勇者の証しとしていたことから、よりセンセーショナルな事件として報じられた。日本軍の反攻により、蜂起に参加した原住民側の死者は約1000人に及ぶ。しかもその中には、戦いに向かう男たちの足手まといになるのを避けるために自決した女性や子どもたちが多く含まれていた。

 事件の概要を聞いただけで『セデック・バレ』を反日映画、悪趣味なモンド映画と決めつけるのは軽率だ。日本から安藤政信、木村祐一、河原さぶ、春田純一らが出演しており、中でも注目したいのは安藤が演じた小島巡査。小島は現地に溶け込み、日本人と原住民との融和に努めた友好的人物だった。ところが小島の妻と子どもは霧社事件で犠牲となってしまう。日本と台湾との架け橋になろうとした小島の純粋な思いは、原住民たちの日本人への憎悪の炎によって、あっけなく焼け落ちてしまったのだ。民族、信仰、教化政策、復讐、異なる死生観……。『セデック・バレ』は第1部・第2部合わせて4時間36分という長尺の中で、事件の引き金となった要素を余すところなく照射していく。台湾から来日したウェイ・ダーション監督に、本作に込めた想いを聞いた。

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