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相次ぐ店舗閉鎖も、ヤマダ電機が中国から撤退しない理由とは……

yamadahonsha0616.JPGヤマダ電機本社(LABI1高崎店舗/Wikipediaより)

 家電量販店最大手のヤマダ電機が、中国の天津店を6月30日で閉鎖することとなった。同店は、ヤマダ電機が中国進出第2店として、2011年6月にオープンさせた、店舗面積1万5000平方メートルの大型店だった。


 中国の家電市場が当初の想定より伸び悩んだほか、尖閣問題に端を発した日本製品の不買運動などが影響したことが、閉鎖に至った原因と見られている。また、5月末には同様の理由から南京店を閉鎖しており、中国では進出第1号店の瀋陽店が残るのみとなった。

 現地では、瀋陽店の閉鎖による中国からの完全撤退も近い、とのウワサもささやかれている。しかし、「それはない。というよりできない」と話すのは、ヤマダ電機の中国現地法人「ヤマダ電機(中国)商業有限公司」の関係者の一人だ。

「瀋陽店も不振にあえいでいるのは同じです。ただ、天津と南京の店舗は賃貸物件だったので、閉鎖も容易だったのですが、瀋陽店は持ちビル。売り手が見つかるまでは、ジリ貧ながら営業を続けるしかなさそうです。しかも土地購入に際しては、相場の2倍ほどもボラれたという経緯があり、売却すれば多額の損失確定となってしまうので、おいそれと撤退できない。今思えば、中国事情をよく知る者がいない素人集団状態で、勢いだけで進出してしまったことが敗因でしょう」

 日本国内では、過去最高益を更新し続けていた2010年、「日本流」を掲げて中国大陸に進出した同社。当初は、13年度末までに5店舗に増やし、中国市場で年間1000億円を売り上げる目標だったが、こうした突然の失速に、目標実現はほぼ不可能となる見込み。アウェーの逆風は予想以上に強かったということか……。
(文=牧野源)

最終更新:2013/06/17 18:00
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