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被害額は東京オリンピックの予算並み! 無法地帯「FC2動画」壊滅に向けて立ち上がったAVメーカーの熱意

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 アニメ、マンガ、アダルトビデオまで、インターネット上には無数の日本発コンテンツが、違法にアップロードされている。テレビで放送されるアニメが、翌日には字幕つきでアップロードされるのは、当たり前。中国では、翻訳された日本のマンガが読み放題の、違法なiPhoneアプリまでもが流通している。

 そうした違法なアップロードによる被害が総額で幾らになるのかは、計り知れない。

 日本書籍出版協会の試算では、ネットを通じて流通する書籍の被害額は270億円。北米では2007~11年の間に1,500~3,000億円もの日本のマンガが違法にアップロードされているという。これに、アニメやゲーム、アダルトビデオを加えれば、天文学的な数字が違法アップロードによって失われていることが、容易に想像できる。つまり、違法アップロードは、日本のあらゆるコンテンツ産業に甚大な被害を与えているのだ。

 こうした違法アップロードの温床となっている代表格に、動画共有サイト「FC2」がある。

 同社はブログやレンタルサーバーなどの事業も行い、インターネットユーザーには、名の通った企業である。特に、ブログは2011年のデータでブログ開設者数560万人、月間ページビュー約80億PVといわれ、日本国内でもトップの数字を誇っている。

 だが、その巨大さに対して企業実体は謎だ。

 この企業は、1999年に設立。ネバダ州ラスベガスに本社を置き、日本人の高橋理洋なる人物がCEOであるとされる。この高橋氏が、どのような人物であるかは明らかではない。

 そして、本社がアメリカにあることから、日本の国内法は及ばない。そのため、ブログでの悪質な投稿や違法な動画のアップロードに対しても、権利侵害を申し立てることが難しく、FC2自体もユーザーの違法な行為を放置してきたのである。そうした体質ゆえに、同社のサービスは違法にアップロードされたコンテンツが多数配信される無法地帯、いわば犯罪者の天国となってきたのである。

 その無法地帯に、ついに権利者が立ち上がった。特定非営利活動法人(NPO法人)・知的財産振興協会(IPPA)に所属する日本国内のアダルト映像制作メーカー7社が、ビデオ作品を無断に公開されたとして、損害賠償を求めて東京地裁に提訴したのである。

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