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根なし草ライター・安宿緑の「平壌でムーンウォーク」

いい年した未婚女が北朝鮮に行くと、こうなる

northkore0117.jpg平壌ホテルの販売員と。朝鮮では行き遅れ独女のことを「老処女」と呼びますが、「老処女同士、頑張りましょ」と、謎の励まし合いをしたものです。あれから数年。無事、彼女が嫁入りできたことを祈ります。

 こんにちは。今回は結婚の話です。

 日本では30年前と比べ、生涯未婚率が上昇しているとのことで、私も例に漏れず、未婚クラスタの一員でございます。

 編集・ライターという不安定かつカタギではない職業で、さらに30代未婚と「崖っぷち」な私でありますが、北の人からすると崖っぷちどころかほぼ終了している存在に等しいようで、訪朝時には行く先々で赤の他人からこのような言葉を投げかけられるのであります。

「結婚しないのか?」
「なぜ結婚しないんだ?」
「結婚もしないで、いつまでそんなことやってるんだ?」

「北朝鮮に来る暇があったら、結婚すればいいのに」と言われたときはさすがに笑ってしまいましたが、それほどヤバいと思われているのでしょう。

 なぜ、ここまで責められるのか?

 北朝鮮の女性の初婚年齢は20代前半~後半がほとんどで、相手がいなくても周囲が見合いをさせるなどして、なんとか結婚させるのが一般的なようです。よって、生涯未婚率は1%にも満たない(高麗ホテルのバーテンダー談)のではないでしょうか。なので、30歳以上で未婚でいるなんて、北朝鮮的にはあり得ないことなのです。

 平壌ホテルの売店の女性販売員(当時29歳)は「私なんてもうダメ。こんな年じゃ、誰ももらってくれないかも。どうしよう」とぼやいておりました。29歳というと、確かに焦りだす年齢ではありますが、北では深刻さの度合いが増すのでしょう。

 ちなみに実態はどうか知りませんが、若い女性に好みのタイプを聞いたら、テンプレのように「情熱的な人」と答えるので、斜に構えてる系の男子はモテないようです。

 無論、常に行動を共にしていた、私のブログや拙著『実録・北の三叉路』(双葉社)でもおなじみ、ヤンキーヘアの女性案内員・鄭さんからも、連日のようにこの問題でチクチク言われるのでありました。

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