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『24時間テレビ』”恫喝”プロデューサーが書いたマラソン必勝(?)マニュアル

imotomarason.jpg『練習ゼロで完走できる非常識フル
マラソン術』光文社

 いまだその存在意義が不明な日本テレビ『24時間テレビ』のチャリティーマラソン。今年はお笑いタレントのイモトアヤコが、フルマラソン3本分の126.585kmのマラソンに”なぜか”挑戦。番組終了後の午後9時12分、有明の東京ビッグサイトにふらふらになってゴールした。なぜ、この日に、なぜ100km以上も走るのか。その具体性は一切不明ながら「とりあえず苦労した姿を見たい」という視聴者からこの謎のマラソンが一定の支持を得ているのも事実。この日の関東地区の瞬間最高視聴率は37.5%。場面は、イモトのゴールが予想された番組終了間際の午後8時57分だった。

 そんな需要をあてこんだのか、ある関連本が出版されていた。タイトルは『練習ゼロで完走できる非常識フルマラソン術』(光文社)。執筆した日本テレビの中村博行氏は、『24時間テレビ』のマラソンプロデューサーとして1997年の山口達也以来、森田剛、にしきのあきら、山田花子、エド・はるみらの24時間マラソン番組制作スタッフを務めてきた。

 中村氏といえば、06年の同マラソンで、ランナーのアンガールズを励まそうと彼らの体にタッチした通行人の老婆を「恫喝」したとして勇名を馳せたあの名物プロデューサー。恫喝した様子がYouTube等の動画投稿サイトにアップされてネット上で話題が沸騰し、某巨大掲示板では実名のスレッドが多数たつなどの祭り状態になったのは記憶に新しい。

 本の内容はタイトルが示すとおり、「3日間あれば6時間でフルマラソン完走できる方法をお教えしましょう」(光文社による紹介テキストより抜粋)というもの。走ることが好きでもなんでもなかった一人のディレクターが、たまたまマラソンランナーの伴走業務に任命されて以来、10年以上走り続けて会得したフルマラソン完走法ということらしい。

 実際にそんなことが可能なのか。元実業団の駅伝選手で現在は某大学のコーチを務める人物は次のように語る。

「個人差があるのでなんともいえないが、普通に考えれば難しい。でも、『早歩きに限りなく近いすり足走法』など一般の実用書では見かけないリアルな自己流テクニックが紹介されていて興味深いかも。数字的なことはともかく、マラソンを楽しむきっかけにはいい本かもしれない」

 マラソンの技術以外にも、イモトアヤコとの特訓にまつわる裏エピソードなどもおもしろおかしく記されており、娯楽性をしっかり兼ね備えている点もテレビ局らしい心憎い配慮だ。

 おりしも、当サイトに8月24日付けでアップされた「外国人も呆れる”エセチャリティ”『24時間テレビ』最大の過ちとは」の記事が、mixiニュースで5000件を超える書き込みがつくなど反響を巻き起こし、「あの影響で抗議電話やメールが局に殺到した。書籍の発行にとってもタイミング悪すぎだよ」(日テレ関係者)とのボヤキが編集部に寄せられたばかり。ついては、”罪滅ぼし”に書籍の紹介させていただくことにした次第だ。チャリティーマラソンの意味はわからなくてもマラソンには関心がある方々必読(?)の書。興味がある方はご一読を。
(文=浮島さとし)

練習ゼロで完走できる非常識フルマラソン術

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最終更新:2009/08/31 19:10
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