日刊サイゾー トップ > カルチャー  > アダルト天国は大嘘? Android marketポルノ規制の実態

アダルト天国は大嘘? Android marketポルノ規制の実態

Google1.jpgAndroid Marketの同意書に「pornographic」という記載はあるものの、
具体的な説明は一切ない。

 iPhoneやiPad用のアプリを販売するAppleの「App Store」がポルノに対して非常に厳しい姿勢を取っていることは有名である。他方、Googleが運営するAndroid Marketは「コンテンツの審査なし」を看板にしている。この結果、「Android Marketではたとえアダルトコンテンツであっても自由に売れる」という印象が世間に広まった。

 2010年4月21日には、AppleのCEOスティーブ・ジョブズがユーザーの電子メールへの返信に「ポルノが見たければAndroidフォンを買えばいい」と書き、逆宣伝の意味でAndroidとポルノが密接な関係を持っているかのようにアピールした。これに対し、Googleはというと、「Appleはまるで北朝鮮のようだ」とその審査が厳しすぎることを批判しただけにとどまった。つまり、「ポルノを売る」ということを否定しなかったのだ。これにより、世界中の多くのユーザーが「Androidプラットフォームはアダルト天国である」と誤解するに至ってしまった。

 しかし現実には、Android Marketではポルノコンテンツの販売が禁止されている。Android Marketにデベロッパーとして登録する際に「読んで同意しろ」と表示される文書に、そのことは明記されている。ただしこれは英文であり、長大な文章の中に「pornographic」とう単語はたった一回しか登場しない。ついでに、何が「pornographic」に相当するかという説明は一切ない。

 Android Marketにユーザー登録した後に参照できる日本語のヘルプの中には、もう少し詳しい記述がある。

「Googleでは、ヌード、性行為の画像、および露骨に性的なマテリアルを含むコンテンツの使用を禁止しています」

 英文の「pornographic」の内容を詳しく説明した感じになっているが、全てのヌード画像を使用禁止にするなど、一般的に考えられている「pornographic」の解釈とはかなり異なっている。

 というわけで、Androidプラットフォームは決して「アダルト天国」ではない。水着画像の入ったコンテンツをすべて閉めだしてしまうAppleよりは多少マシだが、それでも「水着までは認めるが、ヌードは全部ダメ」という程度のものでしかないのだ。

■実はかなり「潔癖」なAndroid Market

 Andoroid Marketは13歳未満の利用を認めていないし、20歳未満のユーザーの利用については親権者の許可が必要である。基本的に「大人向け」のサービスなのに、こうした規定が存在するというのも不可解だが、もっと怪しむべきはそうしたポリシーを取っているということを、対外的に強くアピールしていないことなのだ。

 こうした姿勢は、今後多くのユーザーやデベロッパーの誤解を招き、トラブルを頻発させるものと思われる。都内の、とある編集プロダクションでは、日本の携帯電話(いわゆるガラケー)用の漫画をAndroidアプリ化して公開したが、すぐに販売が保留されてしまった、という。

 「保留の処分が出てから慌てて原因をあちこち探しまわって、単なるヌードも禁止だという事実を知ったわけです」と、この業者は言う。ちなみにガラケーの公式サイトで販売されている漫画は、原則的に年齢制限がついておらず、そういう意味では「ポルノ」だという扱いを受けていない。

 さらに事態を複雑にしているのは、Googleが採用している「通報」制度だという。

「販売されている個々のコンテンツに対して、ユーザーが不適切と思われるものをGoogleに連絡することができるんです。どうやら、これによって『このコンテンツは規約違反だ』とされたらしいですね」(前述の編集プロダクション談)

 Googleが登録されたコンテンツを「不適切である」とする理由の中には、性的な表現以外にも、暴力的な表現というのが選択肢として用意されている。ユーザーがこれを濫用すれば、Appleが審査で落とすものよりも大量のコンテンツを「不適」としてAndroid Marketから排除することができてしまうのだ。

 実は日本はアメリカなどよりずっと「電子書籍先進国」であり、スマートフォンなどに移植可能なデジタルコンテンツが多数流通している。しかしその大半は、ガラケー上で販売されているアダルト要素の濃厚な漫画なのだ。キャリア各社が力を入れてガラケーからスマートフォンへの移行を促すようになると、この手の漫画へのニーズが、スマートフォンの市場においても高まることは必須である。手放すにはあまりに大きなこの”金脈”を、各キャリアがどのように延命させるのか、見物である。

Android Hacks ―プロが教えるテクニック & ツール

エロも立派なカルチャーだ!!

amazon_associate_logo.jpg

【関連記事】
アダルト絶対NGはホント? iPadで夢のエロ漫画読み放題生活!
アダルトメディアは女性差別か? 思想を押しつける横浜市の男女共同参画事業
電子書籍なのに手売り販売? ウワサの「電書フリマ」で電子書籍の最前線を体験レポート

最終更新:2014/03/03 15:49
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

『24時間テレビ』強行放送の日テレに反省の色ナシ

「愛は地球を救う」のキャッチフレーズで197...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真