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今回もヤバい奴らが勢ぞろい!

KO続出の”不良の格闘技”『THE OUTSIDER第15戦』鮮血の舞台裏レポート!!

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 幕よ、俺とやれ!──リングス・前田日明主催の不良系格闘技イベント「THE OUTSIDER(アウトサイダー)第15戦」(2月13日・ディファ有明)は、全28試合中、判定決着がわずかに2試合。白黒ハッキリついた試合が目立ち、また新参者が古参を敗る場面も相次いだため、会場は大いに盛り上がった。勝った選手の舌は滑らかで、60-65kg王者・幕大輔との対戦に名乗りを上げる者が続出。一方の幕もこの日は快勝を収めたが、相次ぐ対戦要求に果たして応じるのか否か? 下克上の気運高まるバックステージで、選手たちの声を拾った。

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●”三福神の人柱力”
萩原裕介(群馬・27歳・初出場)

 強くてイキのいいニューフェイスが現れた! アウトサイダー常連組の庵野隆馬(神奈川・31歳・出場6回目)を三角締めで失神させる、衝撃的なフィニッシュでデビュー戦勝利を飾った萩原だ。

「途中で(庵野が)完全にノビてるのが分かった。なのに止めてくんないから、レフェリーに『落ちてる、落ちてる』ってアピールしたよ。あれで落ちてなかったら恥かくところだった」

 仲間とそんな談笑をしながら引き上げてきた萩原を直撃!

──デビュー戦の割に、落ち着いて戦っているように見えたが。

「自分でもビックリするぐらい緊張しなかったね。なんでかって言うと、それだけ自信があったからだね。今日は負ける要素が一個もないと思ってた。寝ても立っても絶対いける、と思ってた」

──それは、根拠のある自信?

「もちろん。本気で練習したもん。もともとボクシングの経験はあったけど、それ以外にも柔術を半年間みっちり、週3~4ペースで練習した。で、相手の試合をDVDで見て、『うん、これなら絶対に勝てる』ってところまで持っていったから」

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──応援団がすごかった。

「100人は来たね。今日は群馬を代表するつもりで戦ったよ」

──アウトロー時代の喧嘩の戦績は?

「どこまで言っていいんですか?(と先輩に確認)……言ったらダメみたいだから言わない(笑)。まあ、祭で暴れたりなんだりで、いくとこまでいった。人殺しはしてないけどね。あ、もちろん今は更生してるよ」

──試合前は、庵野選手のメンチ切りにも怯まなかった?

「ああいうのは全然気にしない。お好きにどうぞ、って感じ」

 身長180㎝でキレ良好。度胸もあれば華もある。今後も継続参戦すれば、人気が出そうな選手である。

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●”モンスターファクトリー茨城からの刺客 ケンカバッティングマシーン”
沼尻和之(茨城・21歳・出場5回目)

 兄貴分の敵討ちに見事成功したのが、この男。沼尻だ!

 今回の対戦相手は、同門の先輩・幕大輔にかつて土をつけたことがある、鳥海誠(東京・31歳・出場5回目)。「なんとしても兄貴の仇討ちを!」そんな思いが強くあったという沼尻は、顔じゅう血まみれになりながらも前へ前へ攻め続け、強豪・鳥海からTKO勝利をもぎ取った。

──いやはや、壮絶な殴り合いでしたね。

「試合でこういうどつき合いってあまりないんですけど、いつもマッハ道場の練習はああいう感じです。いや、練習のほうがひどいかな(笑)。桜井マッハさん、中村トッシーさん、幕さんらにボコボコにされて、鼻折ったりしてますからね。それに比べれば、今日の試合はまだラクだったかも」

──終盤のラッシュは鬼気迫るものがあった。

「やっぱ、兄貴分の幕さんが一回不運なTKO負けしちゃってる相手だから、どうしても勝ちたかった。実は俺、直前にケガしちゃって、かつてないぐらい練習ができなかったんだけど、その分、気持ちで試合しようと思いました」

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──いつケガを?

「2週間前に、重量級のプロの方と練習やってる最中に靭帯おかしくしちゃって。医者からは『やめたほうがいい』と言われたけど、相手とリングスに迷惑かけたくなかったから出ました」

──男気ありますね。

「アウトサイダーを卒業していった秀虎クンとか、加藤友弥クんとかって、ものすごく男気ある人じゃないですか。俺もああいうふうになりてえな、っていう憧れがあって。ただ俺の場合、彼らと違って技術がないから、気持ちを見せるしかない。今回、それをちょっとは見せれたのかな、って思いますね」

──以前に比べ、顔つきや発言が大人っぽくなった印象を受けるが。

「それ、自分ではよく分かんないですけど、最近よく言われますね。内面が変わったとするなら、いい兄貴らの下でやらせてもらってるおかげでしょう。正直言うと試合前って、練習を休みたくて休みたくてしょうがないんですよ。マッハさん、トッシーさん、幕さんの姿を見ると、『あぁ、今日もいるよ~』って気が滅入る(笑)。でも、あの人たちにしごいてもらったおかげで、俺は今日こうして勝つことができた。いい環境で練習させてもらってるな、俺は恵まれてるな、ってつくづく思います」

 試合のみならず、コメントまでもが感動的。そんな沼尻にサイゾー賞を贈呈だ!

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●”最強セキュリティーチーム・3POUNDの一撃天使”
MASATO(静岡・25歳・出場2回目)

 後輩の沼尻からは敬愛されている幕だが、60-65㎏王者だけに、多くの選手から敵視されている。

 ストライカーのMASATOも”幕狩り”に名乗りを上げた一人だ。この日は、幕が二度やっても勝てなかった強豪の中村俊太(山口・26歳・出場4回目)をKOで下すや、リング上で不敵にニヤリ。そしてマイクを握って「幕選手、僕とどっちが強いですかね? 殴り合いができるなら僕と試合しましょう!」と宣戦布告。

 試合後のMASATOに話を聞いた。

──試合中に何度か笑みを浮かべてましたが、手こずったのか、遊んでいたのか?

「遊んだっちゃあ、遊びました。体力的にはまだまだ全然余裕っす。ただ、相手が寝技を仕掛けてきたんで、途中で吠えちゃいましたよ。だって、『顔面美容整形マシーン』とかって謳ってたじゃないですか。なのにタックル来たから『ああああ~っ!』って。殴り合いができないならあんなこと謳うなよ、と」

──試合後に幕選手との対戦をアピールしていたが。

「どうすかね。『殴り合い』って言われたから、やらないんじゃないですか? だってあの人、いつも寝技ばっかじゃないですか。仮に僕とやることになっても、どうせタックル来てオシマイですよ。つまんないっすよね」

 この挑発を、果たして幕はどう受け止めるのか……?

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●”60-65㎏トーナメント初代チャンピオン 寝ても立ってもフルボッコ 取手の拳帝”
幕大輔(茨城・27歳・出場12回目)

 武井勇輝、MASATO、渡辺竜也。この3名から立て続けに対戦要求を受け、その後にリングに上がった幕。ファーストパンチでいきなりダウンを奪うと、一気呵成にパウンドアウト。チャンピオンらしい堂々たる戦いぶりで松岡洋平(神奈川・31歳・出場6回目)を退けたが、試合後の表情はどこか冷めている。その心中やいかに? 会場ロビーで話を聞いた。

──今日は苦戦も予想されたカードでした。

「俺も正直、今回はヤバいんじゃないかと思ってました。松岡さんは、ストライカーの関谷選手に勝って、コンバットレスリングのトップのヨボボ選手にも圧勝してますからね」

──ところが、蓋を開けてみれば、幕さんが打撃で圧勝。

「まあ、最初の勢いだけですよ。実際は、心折れながら試合してましたから」

──えっ? それはなぜ?

「燃えないっす……。トーナメント取って燃え尽きました。実は今日も試合する予定なかったんですけど、弟分の沼尻が頑張ってるのを見て、もう一回だけやろうか、これで最後にしよう、と思って出てきました」

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──結果は快勝。それでも気持ちは上がらない?

「上がんないっすね。燃えないっす……」

──次は?

「出ないっすね、たぶん。ちょっと犠牲にするものが多すぎたので」

──犠牲とは?

「俺が練習している間、嫁がひとりで子育てしてるわけだし……。俺は吉永選手みたいな天才肌じゃないから、毎日練習しないと勝てない。今のアウトサイダーはそういうレベルですよ。それにトーナメント優勝したらやめると嫁と約束してたのに、今回またワガママを聞いてもらって出たので……。だからちょっと、次は考えてないです」

──そんな幕さんの胸中を知ってか知らずか、武井、MASATO、渡辺の3選手から立て続けに対戦要求がありましたね。MASATO選手はとりわけ挑発的で、対戦を望みつつも「どうせやらないんじゃないか?」と。

「あ、やんないっすよ(笑)。だって、ポッと出で2回勝っただけでしょ? そんな選手とやる価値ないですよ。実は今回は、『トーナメント勝ってからずっと逃げてるんじゃないか』みたいな声があったから、それを黙らすために出たっていうのもある。で、実績ある松岡さんにしっかり勝った。それで十分でしょう」

──今後の展望は?

「サポートする側に回り、沼尻をさらにしごいてやろうかな、と(笑)。いやぁ、今日の沼尻には感動しました。あいつの試合で初めて褒めてやりましたよ」

──ご自身がリングに上がることは?

「……火がついたらまた出ます」

 燃え尽き症候群か? と思われたが、幕はその数日後のブログで「5月横浜文体(ZSTの)仮面ライダーとやらせてほしい」「俺がアウトサイダーの看板背負ってプロに一矢報いるんでよろしく」と宣言。どうやら再び火がついたようだ。

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 幕のブログにもある通り、次回のアウトサイダーは5月8日(日)横浜文化体育館で開催決定。主催者の前田日明によれば、ZSTなどのプロ団体のほか、在日米軍、さらにはロシア軍との対抗戦も行う予定というから楽しみだ。選手募集、チケット購入などの詳細はリングス公式ホームページ(http://www.rings.co.jp)でご確認あれ!
(取材・文=岡林敬太/写真=尾藤能暢)

ジ・アウトサイダー 第十三戦 in 横浜文化体育館

DVD化も続々。

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最終更新:2013/09/10 13:16
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