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井口昇監督“異形”インタビュー

スマイレージが“コワイレージ”になっちゃった!? 思春期ホラー『怪談新耳袋 異形』を巡る不思議体験

iguchi_080703.jpg第1話『おさよ』。新人アイドル・しおり(和田彩花)はグラビア撮影で山奥の旅館に宿泊。
優しくナイーヴな性格ゆえに、とんでもない目に遭う。

■ホラー映画の面白さは“吊り橋効果”と同じ

──平均年齢15歳というスマイレージのメンバーは、映画初出演。

井口 演技自体が初体験だったそうです。スマイレージのみんなは、“スマイル”がトレードマークなだけに、いつもニコニコ笑っているんです。そこで今回は撮影中はもちろん、撮影現場では「笑顔禁止」にしたんです。でも、こんなに笑わせないことが大変だとは思わなかった。スマイレージのみんな、無意識のうちにニコニコ顔になっている。スタッフが声を掛けると笑顔で振り返るんです(苦笑)。普段のボクは穏やかな性格なんですが、今回は彼女たちの父親になったつもりで厳しく演出しました。「今の3倍、悲鳴を上げて!」「今の150倍、怖がって!!」と。かなり厳しく指導していたつもりだったんですが、さっきメンバーに聞いたら「全然、怖くなかった」と言われて、ちょっと落ち込んでいるんです(苦笑)。自分では崔洋一監督みたいな鬼監督のつもりだったんですが……。

──スタッフやキャストから愛される“癒やし系監督”には人知れない苦労があったんですね。過去にも成海璃子主演の『まだらの少女』(05)など優れたアイドル映画を撮っている井口監督ですが、アイドル映画の中でヒロインに求めるものは何でしょうか? やっぱり演技力?

井口 まずは、初々しさですね。監督は、その女優の持ち味をいかに引き出すことができるかが問われるんです。女優の魅力をまず探り、その魅力を大きく膨らませて見せることがアイドル映画を任された監督の仕事でしょうね。特にホラー映画の場合は、怖がるシーンをかわいく見せなくちゃいけない。男性から見たら、女性が恐怖に怯える姿はとてもセクシーで魅力的なものだと思うんです。恐怖に震える表情をいかに魅力的に映し出すかは、常に考えていますね。

──では、いつも笑顔なスマイレージの新しい魅力を『怪談新耳袋 異形』では引き出したということですね。

井口 そうなりますね。最近よく考えていることがあって、ホラー映画は一種の“吊り橋効果”と同じ作用が働くんじゃないかと。「男女が一緒に吊り橋を渡ると、その男女は恋に陥る」と心理学的に言われていますよね。ホラー映画もそれに似ていると思うんです。ホラー映画を観ている男性客は、スクリーンの中で恐怖に怯えている女優と同じ体験をすることで、その女優に恋をしてしまうんじゃないかとボクは思うんです。ボクは自分が監督した作品では、観客のみなさんを主演女優に恋させたいと思いながらいつも撮っているんです。今回の『怪談新耳袋 異形』を観た人が、スマイレージのことをもっと好きになってくれたらうれしいですよね。

──スマイレージは、スカートの短さがセールスポイント。彼女たちの膝小僧の裏側やふくらはぎといった、ステージやテレビでは映らない部分をフェチっぽくクローズアップしてますね。

井口 そうです、そうです! 確信犯的にやっています(笑)。スマイレージは、やっぱり“生足”が魅力ですから。その魅力はちゃんと伝えないとダメだなと思いました。足を撮るためにかなり無理な姿勢をさせたり、膝小僧を撮りたいがために正座させたりしています(笑)。普段はあまり見えない部分を、劇場の大きなスクリーンでクローズアップして見せる。観客にとってうれしいことだと思うんです。「えっ、そんなところを見せてくれるの!?」という部位にカメラが向くことで、ファンは楽しんでくれるんじゃないかな。ボクはそんなふうに想像しながら撮っているんです。

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