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妻が亡くなった時、後を追おうと思った……

田原総一朗が語る「不倫の末結ばれた、最愛の妻を看取って」

――そういった関係からやがて恋愛へと発展し、そして前の奥さまの亡きあと、再婚されました。そのように結ばれていく過程とは、どのようなものだったのでしょうか?

田原 彼女なくしての人生はありえない――そう僕も思ったし、彼女も思ったんです。どうも、お互いに相手のことが必要だと。生きるために。それが愛だと気付いたんですね。気が合う、フィーリングが合う、話しやすい、話が合う、お互いに必要な相手だ。そういう関係が長く続いた。男女の行為なしで、恋愛が成立していたんですよ。

止められない愛

――お互いに家庭のある者同士が惹かれ合ってしまった時には、どうすべきだとお考えですか?

田原 僕は意識が古いので、夫というものは、女房、子どもを食わせるのが第一条件だと思っています。当時はもちろん、今でもね。家長的な責任意識が強かったんです。だから、前の女房と離婚する気はまったくなかった。女房、子どもを食わせなければと、彼女と親しくなればなるほど、自分の無駄遣いを一切せずに、収入はすべて女房に渡していました。もともと全額女房に渡して、僕は預金通帳もキャッシュカードも持たずに、月に1〜2回、女房から小遣いをもらっていました。今では、その役割は娘が引き継いでくれています。だから自分ではお金を銀行から下ろしたこともないので、いくら収入や貯金があるのかも知りません。自分でお金を持たずに女房に管理してもらっているのが、気楽でもあるからですが。

 だから、たとえ家庭がありながら、ほかの女性に惹かれてしまったとしても、家長としての責任、つまり女房、子どもを食わせること。それは果たすべきだと考えています。

 前の女房は、僕と彼女との関係には気づいていましたよ。口に出しては言わないけれど、態度でなんとなく。女房の立派だったところは、そんな状況下でも、一度たりとも娘たちの前で僕の批判をすることがなかったこと。女房に悪いという思いは、もちろんありました。それも、長いあいだ2番目の妻と男女の行為を持たなかった理由のひとつです。

命がけで仕事に取り組む

――「家長としての責任」というお話が出ましたが、田原さんはいつも真剣勝負で仕事に挑むと本書でもおっしゃっています。

田原 だから僕は、常に仕事に対しては本気。仕事には平気で命をかけようと思っていますから、ときにはめちゃくちゃなこともします。東京12チャンネル(現テレビ東京)時代の1971年には、金曜スペシャルで『日本の花嫁』というドキュメンタリー番組をつくり、自衛隊の結婚式など、いろんな結婚式を取材に行きました。ある全共闘崩れの連中の結婚式では、列席している仲間たちがみんな裸なんです。新婦が列席者の男たちと本番行為をするという結婚式でね。で、スタッフも全員裸になれと。すると新婦が「まずディレクター(である僕)と寝たい」と言いだした。断るわけにはいかない。これも取材だと、新婦と本番行為をして、それを撮って放映しました。そのことをして、お笑い芸人の水道橋博士は「田原総一朗は日本で初めての、成人向けビデオ作品男優である」としています(笑)。それくらい本気なんですよ。

――田原さんは、その奥様をがんで亡くされました。自分の妻や夫、恋人が、不治の病や悩みなどで苦しんでいる姿に直面したときには、どのように接したらいいのでしょうか?

田原 僕が再婚した女房(節子氏)は悪性の炎症性乳がんで、判明したときにはすでに手術ができない、長くても半年の命という状態でした。医師は彼女に乳がんであることは告げましたが、炎症性乳がんであるとは言わなかったんですね。それで「告知しますか、どうしますか?」と。僕は余命半年の女房にそんなことを告知してしまったら、彼女ががっくりくるのではと判断し、言わなかったんですね。

 しかし、抗がん剤治療を数カ月間続けた結果、手術できる段階にまで回復できた。それで手術へと踏み切ったんですが、術後に女房がインターネットで病名を調べて、自分が炎症性乳がんであることを知り、烈火のごとく怒ったんですよね。

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