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幽霊捜査官コンビの活躍を描いた、異色のバディームービー『ゴースト・エージェント R.I.P.D.』

ripdm.jpg(C) 2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

 今週紹介する2本の最新映画は、どちらもある意味、亡霊を題材にしたフィクションといえるかもしれない。殉職した警官があの世の警察組織で悪霊どもを退治するコミカルなハリウッド製活劇と、旧日本軍が隠した資金として詐欺の手口にたびたび使われ、半ば都市伝説化した「M資金」をめぐる陰謀を描くシリアスな和製サスペンスだ。


 公開中の『ゴースト・エージェント R.I.P.D.』(3D/2D上映)は、幽霊の捜査官コンビが世界滅亡をたくらむ悪霊たちと戦う奇想天外で痛快なアクション。恋人と幸せに暮らしていたボストン警察の警官ニック(ライアン・レイノルズ)は、捜査中に同僚の悪徳警官ボビー(ケビン・ベーコン)に撃たれ殉職。肉体を離れ昇天するかに思われた直後、現世にはびこる悪霊を取り締まる組織「R.I.P.D.」にスカウトされる。西部開拓時代のガンマンだったベテランのロイ(ジェフ・ブリッジス)とコンビを組んだニックは、R.I.P.D.の捜査官として活動を開始。逮捕した悪霊から、世界を滅亡させる陰謀が進行中だと聞き出し、ロイと協力して陰謀を阻止すべく奮闘する。

 原題にもなっている「R.I.P.D.」は、死者に送る言葉「安らかに眠れ」を意味するR.I.P.と、警察の分署を表すPDを組み合わせた、いわばダジャレの造語。名は体を表すということわざの通り、バディムービー、ポリスストーリー、『ゴースト/ニューヨークの幻』(90)に代表される幽霊と人間の恋愛物語など、ジャンル映画のさまざまな定番要素をヒップホップよろしく巧みにミックスし、シニカルな笑いで味付けしてテンポのよい娯楽作に仕上げた。監督は『RED レッド』(10)のロベルト・シュベンケ。『RED レッド』でブルース・ウィリスの恋人役で注目されたメアリー=ルイーズ・パーカーが、白いブーツがキュートな60年代風ファッションの上官を好演しているのも見どころだ。3D上映では、静止した立体的な背景でキャラクターが動く映像など、さりげなく織り込まれた斬新な視覚効果も見逃せない。

 続いて10月19日公開の『人類資金』は、敗戦直前に旧日本軍が隠匿したとされる財宝「M資金」をめぐって繰り広げられる陰謀を描く経済サスペンス大作。M資金をネタに詐欺を繰り返してきた真舟(佐藤浩市)は、石(森山未來)と名乗る男に連れられ、ある財団のビルを訪問。そこで防衛省の秘密組織に襲撃を受けるが、石の助けで難を逃れる。財団の人物から「10兆円のM資金を報酬50億円で盗み出してほしい」と依頼された真舟は、M資金をめぐる国際的な争いに巻き込まれていく。

 原作・福井晴敏と監督・阪本順治という『亡国のイージス』のコンビが、邦画の常識を超える壮大なスケールのサスペンス巨編に再び挑む。諸説飛び交い今も謎に包まれるM資金を素材に、リーマン・ショックでその危うさが顕在化した金融資本主義への批判と、人類の未来の幸福につながる新たなルール作りの提言という、真摯なテーマを訴えた。佐藤、森山に加え香取慎吾、観月ありさ、オダギリジョー、ビンセント・ギャロら豪華キャストが顔を揃え、ロシア、タイ、アメリカでの海外ロケを敢行。特に森山は、敵対組織の工作員と戦うアクションシーン、米映画以外では初のロケというニューヨークの国連本部での英語スピーチなどを熱演し、準主役として輝きを放つ。金融分野の用語にも分かりやすい解説が添えられ、経済の入門にも役立つ1本としてオススメしたい。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『ゴースト・エージェント R.I.P.D.』作品情報
<http://eiga.com/movie/77680/>

『人類資金』作品情報
<http://eiga.com/movie/78192/>

最終更新:2013/10/19 15:00
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