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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.262

東京女子流の“制服”姿が異常なほどかわいい! 偏愛が招いた奇跡の瞬間『5つ数えれば君の夢』

5tsukazoere02.jpg都内のお嬢さん学校が舞台。一見、清楚そうに映る校内だが、学園祭のミスコンに誰が選ばれるかという話題で盛り上がっている。

 『5つ数えれば−』の舞台となる女子高の文化祭でいちばんの盛り上がりを見せるのは、各クラスから代表者1名を選出して競われるミスコンの開催。ミスコンの本命、対抗馬、推薦者、主催者、傍観者、それぞれの立場から5人の物語が奏でられていく。少女たちの過剰な思い込み、いたずら心、華奢な身体を押しつぶしてしまいそうな大きな夢が渾然一体となって、文化祭当日に大爆発を起こす。思春期ホラーの金字塔『キャリー』(76)の卒業パーティーを彷彿させるクライマックスだ。本作は血みどろのホラー映画ではないものの、男子がこれまでちょっと見たことのないような怖いくらい美しい悪夢的な世界が待ち受けている。文化祭を終え、可憐さを競う少女たちの胸の中で何かが死に、新しい何かが生まれる瞬間を目撃することになる。

 山戸監督は処女作『あの娘が海辺で踊ってる』に続き、第2作『おとぎ話みたい』でもダンスと物語を巧みに融合させ、その独自のスタイルを3作目となる本作で完成させた感がある。現在公開中の『キック・アス ジャスティスフォーエバー』でもクロエ・グレース・モレッツのダンスシーンが盛り上がったように、10代の女の子の特異な身体性を表現するのにダンスは非常に有効的なようだ。少女の踊りには、言語化が不可能な感情の吐露、肉体の輝き、さらには未完成な官能美、そして生命の神秘性まで実に様々な要素が込められている。男子にとって長年にわたってアンタッチャブル扱いされてきた禁断の世界の扉がここに開く。

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