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じゃまおくんのザオリク的マンガ読み

マンガ界を震撼させた伝説のゴーストライター 『コミックマスターJ』とは?

「身を削り自らの全てを賭け限界を超えても、なおその前に締め切りが立ちはだかるときに私は引き受ける」

などと言われて、断ってしまうこともあります。Jが単なる報酬目当ての金の亡者ではなく、真にマンガを愛するプロフェッショナルであることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

 さて、そんなプロ中のプロであるコミックマスターJだからこそ、作品中で数々の名言を残しています。漫画界を震撼させるような、強烈な名ゼリフの数々をご紹介しましょう。

「漫画はつねにジャパニーズドリームでなければならない!」
「漫画大国日本で漫画を読めぬ奴は死ねっ」
「どんなに倫理に反していようが、漫画を守るためならどんな者にでもなる。鬼にも悪魔にでもな!」
「紙とペンしかない以上、自分を信じて描くしかない」
「夢であろうが現実でなかろうが、原稿を上げるのが先だ!」
「ギリギリだったな、命も原稿も」
「一家を養うための漫画など必要ないっ」
「逃げられなくなった漫画家達は闘うしかない、漫画という武器でな!」
「一流の漫画家ならば…原稿上げてから病気になれ!!!」

 こんな感じで、行き詰まって弱気になった漫画家先生たちに、超厳しい気合を入れます。中にはどう考えても、物理的に無理なこと含まれてますが……。

 もちろん、単なる漫画アシスタントが先生に向かってこんなこと言ったら大変なことになりますが、スーパーアシスタントJであれば許されるのです。なぜなら彼は……あらゆる漫画家を超越する存在だから。アシスタントなのに!

 そんなに実力がある男がなぜアシスタントに甘んじているのか、自分の作品を出せばいいじゃないか! 皆さん当然そう思うことでしょう。そう、Jが自分の作品を世に出さない理由……それが、本作品の隠されたテーマでもあります。実は、Jが一度自分のマンガを描けば、その作品がすごすぎて世界が崩壊してしまうのです! J自身、それが分かっているから自分の作品を世に出せない……そんな苦悩と日々闘い続けているのです。

 ちなみに作品の最終章では、Jが自作を世に出してしまった結果、本当に世界大戦が巻き起こり、崩壊してしまった後の世界が描かれています。それはもはや北斗の拳的な暴力が支配する世の中であり、マンガに関わる者を抹殺しようとするカルト組織が世の中を支配する、『20世紀少年』的世界でもありました。

 そしてこの終末世界から再び平和な世界を取り戻すべく、漫画家たちが立ち上がる……そんな壮大なストーリーになっています。世界を崩壊させるのも、取り戻すのも、漫画家たちの役目。この世は、漫画家を中心に回っているのです。全然知りませんでしたね。

 というわけで、今回は伝説のゴーストライターマンガ『コミックマスターJ』をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。作中では、ここでご紹介しきれないほどのマンガ名言の数々や、超リアルな漫画家の現場エピソードなどもお楽しみいただけます。とにかくゴーストライターを決して侮ってはいけないのです。ひとたびゴーストライターが本気を出したら、世界を滅ぼしてしまうこともあるかもしれません。
(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

最終更新:2019/11/13 17:21
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