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じゃまおくんのザオリク的マンガ読み

『孤独のグルメ』の原作コンビが描く、究極散歩マンガ『散歩もの』

91HpMKt6BEL._SL1500_.jpg散歩もの』(作画・谷口ジロー、著・久住昌之)

 この世で最も奥が深く、老若男女が楽しめるアウトドアスポーツといえば、ズバリ「散歩」ではないでしょうか。健康診断で肉体年齢が60代と診断された、筋金入りのインドア派を自称する僕でも可能なスポーツ、それが散歩。散歩・イズ・ビューティフル。まあ……散歩がスポーツなのかどうかは、別途議論が必要なところですが。

 今回は、そんな散歩がテーマのマンガ『散歩もの』をご紹介します。「散歩」がテーマのマンガなんて、一体どうやってオチをつけるんだ? と思う方もいらっしゃるかと思うのですが、そこは心配ご無用。実は、本作品は『孤独のグルメ』の名コンビ、谷口ジロー先生と久住昌之先生の作品なのです。本作品も『孤独のグルメ』同様、毎回これといったオチはなく、フワッとした感じで終わりますが、それでいてちゃんとした作品として成立しているのです。

『散歩もの』は通常のマンガ雑誌ではなく、「通販生活」(カタログハウス)という雑誌に掲載されていました。この掲載誌の渋さこそが、「散歩」というニッチなテーマのマンガを実現できる理由だともいえます。

 テーマが違うとはいえ、谷口先生と久住先生のコンビ作品ですから、当然『孤独のグルメ』のテイストが色濃く出ており、読めば読むほどに『孤独のグルメ』のスピンオフ作品ともいえる雰囲気を感じます。特に、作品中に出てくる食事のシーンなどは、かなり孤独のグルメっぽいです。

 ただし『散歩もの』は、あくまで散歩マンガなので、グルメではなく散歩がメイン。主人公である中堅文具メーカーの部長、上野原譲二が休日や仕事中にいろいろな場所をフラッと散歩して、古い町並みを見たり、雑貨を見つけたりしてはその心象風景をつづるという、これが全盛期のジャンプだったら、3話目ぐらいで強制的に途中からバトルものに方向転換させられかねない地味な内容です。もし散歩バトルマンガがあれば、それはそれで読んでみたい気もしますけど。

 でもまあ、読者層はきっと「散歩の達人」(交通新聞社)とか「おとなの週末」(講談社)とか読んでいそうなアダルティな人たちを狙ってるわけですから、これでいいわけです。そういう意味では、孤独のグルメ以上にディープで読み手を選ぶ作品といえましょう。

 主人公、上野原は妻帯者、中小企業の中間管理職という設定で、独身貴族の孤独のグルメ・井之頭五郎とは異なり、なかなかのリア充っぽさが漂います。しかし、作品が醸し出す雰囲気が酷似しているのは、どっちの主人公も頑固で結構変わった性格をしているからなんだと思います。


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