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改憲不安高まる中、音楽はどこまで響くのか――七尾旅人が歌う「数十年ぶり1人目の戦死者『兵士A』」

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 世の中が良くない方向に向かっていくのがわかっているのに、どうにもできない歯がゆさ。すごく大事なことが議論もなしに強引に推し進められ、国民がないがしろにされている現実に対し、七尾はたったひとりで立ち向かう。戦争という巨大なテーマを前に、音楽がどこまでやれるのか。人の心に、どこまで響かせられるのか――。

 七尾はまるで吟遊詩人のように、苦しい立場に立たされた名もなき人の繊細な心のゆらぎを、今にもかき消されてしまいそうな小さな声を、丁寧に、丁寧にすくい上げる。音楽と真摯に向き合い、音楽の力を信じる者にしかできないやり方で。
 
 正直、この『兵士A』は万人に受け入れられる類いのものではないだろう。だが、何かに取りつかれたようにうつろな目で歌い続ける七尾の姿から、観客は一瞬たりとも目を離すことができない。70年にわたり日本の平和の礎となった憲法9条改正のリアリティが、否が応でも突きつけられる。

 演奏後、七尾の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。

 本作の発売に際し、さまざまな著名人がコメントを寄せているが、「自衛官の白石氏」はこうつづっている。

<僕はAくんになる可能性がある。戦争を僕らは体験していないけど兵士A君を想像して涙を流せる人であり続けたい>
(文=ミウラハナコ)

最終更新:2016/07/20 18:13
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