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【短期集中連載】現役女子アナ・ナカムラの『ブログには書かない話』第3話

清水富美加のレプロどころじゃない!? 現役女子アナが暴露するテレビ局の“ブラック事情”

 その局でアナウンサーとして同期入社したのは、Mちゃんの他にもうひとり、同じくアナウンサー経験のある男性。彼も契約で、Mちゃんと同じく期間は3年間。しかし、彼はあまり要領がよくなかったのか、Mちゃんの方が多くの番組を担当していたようです。しかし正規雇用ではないだけに、どれだけ働いても、もらえるお給料は以前よりも相当下がってしまったとか。

 そして契約期間満了となる3年後、Mちゃんはまたしても衝撃を受けます。その要領が悪い男性は、正社員に昇格したのですが、Mちゃんは昇格どころか契約延長もなく、期間満了で局から切られるハメになってしまったのです。失意のMちゃんでしたが、お別れ会で一番仲が良かった先輩から、その局の“体質”を告げられます。

「地方なんてどこもそうだけどさ、男性は雇用するけど、女性はさっさと辞めさせたがるんだよ。ウチの局は特にひどくて、いまは女性っていうだけで、新卒も中途も正社では絶対採らないから」

 時代錯誤も甚だしい、昭和の男根主義そのものです。しかし、彼女は担当番組を複数持っていたこともあって、完全フリー転身したものの、今でも同局の番組をこなしています。

 余談ですが、Mちゃんが仕事をしている某局、現在では女性でも社員昇格や新卒を採るようになったそう。というか、契約社員制度そのものを排除したんです。ようやく時代に合わせることができるようになったのか……と思いきや、その理由もお粗末なもの。

「怪しいお米 セシウムさん」という、テレビ史上類を見ない、最低最悪の放送事故を覚えていますか? 2011年の震災直後、スタッフがふざけて入れた仮テロップがそのまま放送されたというトンデモ事案ですが、この件がきっかけで地方各局に、監査が立て続けに入ったんです。その時、地方局の老害たちはようやく気付きました。

「あ、ウチって女性差別してるんじゃね?」

 ほんの少しだけ時代が違えば、Mちゃんは今頃、局アナとして活躍していたに違いありません。私にしても決して他人事ではありませんが、それにしても芸能人はみんな、個人事業主なわけじゃないですか? 私たちはテレビ局という企業に就職している、れっきとした被雇用者のはずなのに、このありさまですからね。きっとすべてが是正されるのは、私が引退した後の時代の話になることでしょうが、ブラックなのはテレビ局周辺全体なので……という諦めを、私たちはみんな持っています。
(つづく)

■ナカムラ
20××年、某局に局アナ入社したアラサー。一応レギュラー番組を複数持ってる“実力派”。夢はフリー転身だが、ぬるま湯と天秤にかけ続けて早ウン年。何か面白いことないかな~と夢想していたところ、こんなコラムを書くことになってしまいました。

最終更新:2017/03/01 17:00
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