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【おたぽる】

「Jホラーとは違う『恐怖』を伝えたかったんです」『世界の闇図鑑』総監督・井口昇インタビュー

1706_iguchi.jpgアニメ『世界の闇図鑑』公式サイトより

 UMA、SF、秘境探検……懐かしさすら覚えるモチーフを多用し、好事家たちを唸らせているホラー紙芝居アニメ『世界の闇図鑑』(テレビ東京ほか)。21世紀に何故こんな尖った作品が生まれたのか? 舞台裏はどんな様子なのか? 最終回の放送を直前に控え、総監督を務める井口昇氏にインタビューを敢行しました。

■「若い人たちが宇宙人やUMAに興味を持つきっかけになりたい!」

―― この番組を作ったきっかけを教えてください。

井口昇総監督(以下「井口」) まず制作会社のプロデューサーさんから「『闇芝居』の後番組を考えてるんだけど」って依頼が来たんです。

―― 都市伝説を題材にしたCGアニメですね。井口さんも第2期の第2話で監督を務められています。

井口 ええ。で、打ち合わせの時にプロデューサーさんが持ってきた資料が、昔の子ども向けの雑誌とか図鑑でした。グラビアページで石原豪人さんとかが「未来にこんな酷いことが起こる!」「こんな怪物が実在する!」みたいなイラストを描いてるような。

―― チューブ状の道路をエアカーが走ってたり、イエティの想像図が描いてあったり。

井口 「秘境にこんな気持ち悪い生き物がいる!」とか。そういうのを表現できないだろうかっていう漠然とした企画を提案されたんです。で「どう思う?」って(笑)。プロデューサーさんは「この題材ができる人は井口さんしか思い浮かばない」って仰ってましたけど。

―― 困りますよね、そんな風に言われても(笑)。

井口 でも題材はすごく好みでした。僕は1969年生まれなんですけど、子どもの頃まさにそういう雑誌を読んでてすごく影響されたので。トラウマになったというか(笑)。こういう昭和のオカルトやUMAだったりは、自分のDNAの中に確実に入っていますね。

 あと、今「昭和っぽい」って若者の間ではマイナスイメージというか、否定的な意味合いで使われることが多い気がするんですよね。それに対して前からムカついてて、「やります!」って。技術的にはまだ何も考えてなかったですけど、あの当時の雑誌のグラビアみたいなことを映像にして、それを見たことない世代に投げかけるのは意義があるんじゃないかと思ったんです。

―― なるほど。若い世代に「昭和」のよさを伝えるというか。

井口 それに今の若い人たちの「ホラー」って、ほとんど心霊だけなんですよね。いわゆるJホラーの影響だと思いますけど、恐怖の対象がほぼ幽霊、心霊だけな気がして。あとはせいぜい都市伝説とか、ゾンビとか。

―― た、たしかに! 

井口 僕としては「恐怖の対象はそれだけじゃなかったはずだ!」というのがあって。若い世代の人たちは意外と宇宙人やUMAってものに恐怖を感じたことがないんじゃないかと。この作品がそれらに興味を持つきっかけになってもらえばいいし、あるいはそういうもので育った僕ら40~50代以上の方が「そうだよね、怖いよね」って思ってもらえるものになればいい。最近はそういうのが凄い少ないなあって思ってましたし。

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