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【おたぽる】

「Jホラーとは違う『恐怖』を伝えたかったんです」『世界の闇図鑑』総監督・井口昇インタビュー

■怖かった「東京12チャンネル」のテイストを現代へ

―― 本作が“紙芝居”風になったのはどういう経緯をたどられてのことですか?

井口 『闇芝居』はCGアニメがメインでしたが、僕は知り合いにたまたまイラストレーターの方が大勢いらっしゃるので、手描きの絵を構成して何かできるんじゃないかって思い付いて。デジタルの時代にアナログな切り口でやるのも逆に面白いんじゃないかなと。あと1976年に放送されていた『妖怪伝 猫目小僧』の影響もあると思います。絵で描いたものを紙芝居の要領で撮って、実写が混じるアニメだったんですけど。

―― 楳図かずおさんのマンガ『猫目小僧』が原作の。

井口 それに「東京12チャンネル」の影響もあります。テレビ東京は当時そういう名称だったんですけど、めちゃくちゃ怖い番組をやってる印象があって。遅い時間だと『ビックリ大集合!』(1975~78年)って番組で、口裂け女のドキュメントとかをめちゃくちゃ怖いタッチで放送してたり。子ども向けの番組でしたけどハンパなく怖くて、みんな次の日に学校でその話題で持ちきりになったり。あと『もんもんドラエティ』(1981~82年)の、手塚眞さんが作った短編ホラーも怖かったなあ。夜8時台の放送なんですけど、人が首切られたりとかそんな内容ばっかりでした。

―― 今では考えられない状況ですね。

井口 当時もPTAからめちゃくちゃ苦情が来てたらしいですけど(笑)。そういう番組がいっぱいあったのが「東京12チャンネル」だったんです。それを21世紀にやろうと。

―― テレビ東京でやるなら東京12チャンネルのテイストを、というわけですね。 

井口 それで模索をしたんですね。プロデューサーさんが吉田ウーロン太さんという役者さんで脚本家もやられている方を連れて来て、彼とまずは喫茶店に入って「何が怖いか?」ってお互い意見を出し合ったんですよ。そこから第6話「砂に消えた悪夢」のプロトタイプの話ができたんです。それを僕がイラストを描いて、デジタルで撮って実験的に編集したところ、「これ面白いことできるな」って分かったんで、(各話を担当する)監督さん3人を集めて会議を繰り返して。

―― それはいつ頃ですか?

井口 依頼が来たのは去年の12月26日で、制作を始めたのは1月の二週目。年末に話が来て4月に放送ですからね。最初は「えっ?」てなりました(笑)。

―― 30分のTVアニメなら絶対に有り得ないスケジュールですよね(笑)。

井口 僕も「普通じゃない気がする」って思いましたけど(笑)。ただ、今まで仕事をしてきた中で、自分は「傭兵だ」って意識があるんです。無茶なことを振られて何とかするのが仕事というか。あと性格的にも極限状態になればなるほど燃えるんですよ。「映像マゾ」って言った方がいいいいかもしれないですけど(笑)。

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