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“洗脳”された風俗嬢と、彼女を救った客……深夜版『家、ついて行ってイイですか?』がパンチありすぎ!

■裏街道を歩んできた妻と夢見るのは“平凡な家庭”

 祖父の他界をきっかけに居場所を失くした彼女。両親は支えにならなかったのだろうか?

「うちのクソ親父はあんまり好きじゃない。高校時代の友だちに手出しちゃったから」(妻)

 高1の時、友人を家へ招くと、父親は「泊まっていけば?」と友人に宿泊を勧めたそう。その翌朝、気付いたらなぜか父親と友だちが2人して一緒に寝ていたという。

 父親が頼りにならないのは、よくわかった。では、母親はどうか?

「お母さんじゃないです、あの人。私が小さい頃に男と家で一緒に抱き合って寝てました。スナックやってたから、いろんな男と抱き合ってたりしてたんですよ。要するに、スナックの姉ちゃんとブサイクなおっさんが意気投合しちゃった」(妻)

 気付くと、この両親は離婚していた。

 波乱万丈な境遇で育った彼女。一方、男性の人生も荒波だった。

「私は、中卒なのね。高校行ったんだけど、途中で辞めちゃったの。遊びすぎちゃって。中途半端に悪さしてたからね」

「トラックも乗ったし、ホテルに勤めたこともあるし」

「私、バツイチなのね」

「前妻と別れてから何もなくなっちゃって、新天地でイチから……イチからと言うかマイナスだよね。何もないからね。その時にたまたまうちの会社の求人を見て、『寮完備』『日払いできます』っていう条件だったから、まずは飛び込んでみよう! と思い、入ったが今日(に至る)」(男性)

 4年の勤務を経て、今では店長にまで上り詰めた男性。彼の帰宅を、妻はおじいちゃんから教わった料理を作って待っていた。

「(味噌汁を飲みながら)うん、うまい。やっぱ、落ち着くね」(男性)

 男性は、明確に2人の未来を頭に描いている。

「ごく平凡ですけど今の形を維持して、2人仲良くね。で、休みの時は時間をちゃんと共有して、それを発展させていったらね。自分の足跡を残していけたらいいかなって」(男性)

 過酷な家庭環境で育ち、洗脳された過去を持つ妻。中学を卒業し、歯を食いしばりながら店長職にたどり着いた男性。そもそもの出会いはハードだが、2人が先に思い描くのは“平凡な家庭”である。

 妻がふと、味噌汁をよそいに台所へ立った。激務で疲れた男性を思っての行動である。彼女の後ろ姿を目で追ってみた。Tシャツの背面には、「裏街道まっしぐら」という文字がプリントされていた……。

(文=寺西ジャジューカ)

最終更新:2018/07/06 14:00
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