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揺らぐニセモノとホンモノの境界線【2】

インスタグラムのパクリ暴露アカウントの正体 実は”ブランド”をリスペクトしていた?

――ブランドのパクリをズバズバと指摘していくインスタグラムの人気アカウントが存在する。しかし、ファッション業界は恐れおののくばかりではなく、奇妙な関係も生まれていた。

「Diet Prada」のアカウントより。

 前記事でも触れた通り、グッチの袖が膨らんだファージャケットと、ダッパー・ダンがデザインしたジャケットがそっくりだと指摘したインスタグラムのアカウント「Diet Prada」。2014年12月に開設されて以来、さまざまなブランドのアイテムに対して、過去のデザインとの類似点を皮肉たっぷりのコメントと共に容赦なく暴露してきたため、ファッション業界関係者から恐れられているのだ。運営しているのは、自らも業界関係者であるトニー・リューとリンゼイ・スカイラーの2人。フォロワーは1300万人を誇る(5月初旬時点)。

 ほかに暴露の例を挙げると、18年、韓国のブランドであるブラインドネスのアイテムがシャネルの1991年秋冬コレクションのものとそっくりであることを指摘。あるいは19年、アメリカのインフルエンサーが販売するバッグがヴァレンティノのパクリであることを投稿した。

 さらに、パクリの暴露だけにとどまらない。18年、ドルチェ&ガッバーナがインスタで公開した、アジア系モデルが箸で苦戦しながらイタリア料理を食べるという動画が、人種差別的だと指摘。それによって大炎上し、予定されていた上海でのドルガバのショーが中止に追い込まれたのだった。

 こうした指摘に有名ブランドの多くは戦々恐々としているが、グッチはあえてそれを逆手にとり、18年春夏シーズンに「Diet Prada」をショーに招待したこともある。そして、同ブランドのインスタの公式アカウントにおける情報発信を任せる、というユニークな試みを行い、話題となった。

「Supreme Copies」のアカウントより。

 また、「Diet Prada」と趣はちょっと異なるが、インスタには「Supreme Copies」なるアカウントもある。ここでは、シュプリームが1994年に創業した当時から現在に至るまで、デザインの“参考”や“オマージュ”したと思われるものが、ネットやフォロワーからの情報を元に掲載されているのだ。例えば2016年の投稿では、シュプリームが14年秋冬に発表したチェリー柄のセーターが、ブルース・リーが主演し、1973年にアメリカで公開された映画『ドラゴンへの道』の通行人が着ているセーターの柄と似ていると指摘した。

 そんな「Supreme Copies」のフォロワーは9万5300人(同時点)。17年にはフォロワー数が5万人に到達したことを記念して、それまでの投稿をベースに、法的な理由でインスタにアップできなかったアイテムの写真も加えて収録した書籍『Supreme Copies』を欧米で刊行した。

 ただし、このアカウントは単にシュプリームの“あら探し”をしているわけではないのかもしれない。アカウント主は、過去にインタビューで「ストリートブランドの服には、常に“オリジナルじゃない”要素が入っているもの」「どんどんブランドのことをディープに知っていくと、まるで歴史の授業を受けているみたいに感じる」と語っているのだ。要は、ストリート・カルチャーはさまざまなコンテクストが織り込まれたものであって、それを体現するブランドとしてシュプリームをリスペクトしている、と投稿を通して伝えたいのではないか。(月刊サイゾー6月号『令和時代の(新)タブー』より)

最終更新:2019/07/29 10:00
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