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吉本興業の共同確認書、杜撰すぎる内容も「芸人の不平不満トーク」が封じられる可能性

吉本興業東京本社

 芸人と契約書を交わしていないことが問題視されている吉本興業。その一方で、所属芸人の闇営業問題を受けて、すべての芸人に対し「共同確認書」への署名を義務付けると報じられた。

「約6,000人の所属芸人全員に、社員が共同確認書を渡して、署名を求めているそうです。吉本に不信感を抱いている芸人も多いので、そう簡単には署名してもらえていないようですが」(お笑い業界関係者)

 この共同確認書は、すでに多くの芸能記者が入手。その内容は各所で報じられている。

「A4用紙2枚の簡素なもので、『反社会勢力との関係を断絶します』『教育を徹底します』『守秘義務を守ります』など7項目にわたって“誓約・宣言”が綴られていると報じられています。『守秘義務を守ります』と宣言しているというのに、早速この確認書が出回っている現状がなんとも皮肉ですね」(ベテラン芸能記者)

 この共同確認書は契約書ではなく、あくまで「確認書」である。法的拘束力がどれくらいあるのか、吉本側と芸人側との行動を制限するだけの効力があるものなのか――そういった点に疑問が残る。

「書いてある内容を簡単に説明すると『コンプライアンスを遵守しましょう』ということ。つまり、社会人として正しい行動をしましょうと。これが正式な契約書であれば、ルールを破った際のペナルティーなどについても触れられているので、必要なものだといえます。しかし“確認書”では、約束を破った際どうなるかは記されておらず、どういう位置付けのものなのかよくわからないんです。芸人は契約書だとは思っていないけど、実は契約書的な機能をもっているものなのかもしれない。芸人が弁護士に相談したら、間違いなく“気軽に署名してはいけない”と指導される代物だと思いますよ」(同)

 共同確認書は、一般的な契約書のように難しい言葉遣いで書かれたものではないが、その一方で曖昧な表現が多い。たとえば、『守秘義務を守ります』の項目には、〈タレント・社員らは、芸能活動にあたって取得した(中略)プライバシー情報、その他一切の秘密情報の取扱いについて、十分に注意いたします〉とある。「タレント・社員ら」の「ら」が誰を指すのがわからないし、「その他一切の秘密情報」が何なのかもわからない。さらに「取扱いについて、十分に注意いたします」とあるが、どんな取扱いがOKで、どんな取扱いがNGなのかも明記されていない。

「マネージャーの失敗談なんかを面白おかしくトークしただけでも、“秘密情報を漏らした”なんて言われかねない内容ですよ。あるいは、吉本に対する不平不満を吐露することを封じられているような受け取り方もできる。芸人にとっては、かなり立場が弱くなるような確認書にも見えますね」(前出・お笑い業界関係者)

 当初は契約書は用意せず、この共同確認書への署名だけで、どうにかお茶を濁そうとしていた吉本だったが、その後、希望する芸人に対しては契約書を交わす方針であるとも報じられている。ツッコミどころ満載の共同確認書は、吉本なりの大きなボケだったのだろうか――。

最終更新:2019/08/03 12:10
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