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『Iターン』ムロツヨシのキャラ変に隠された意味

「Iターン」の言葉に隠された意味

 森田が立ち去った後、渡辺は泣いた。片思いに浮かれるウキウキなテンションから一転しての大号泣。ここで渡辺が歌うは、村下孝蔵の「初恋」だ。実はこの曲、学生時代の恋を歌う内容である。しかも、スナックの女に真剣に惚れてしまう見境のない渡辺。「現実をよく見ろ」「チェリーボーイかよ」とツッコまれても仕方ない。まぎれもなく初恋だった。

 泣きながら夜道を歩き熱唱する渡辺。まるでMVのよう。さすが、黒猫チェルシーのヴォーカルだ。毎回、このドラマは誰かが「初恋」を歌う。4話で阿佐ヶ谷姉妹が歌ったそれとまったく違って聴こえるのは、本職ならでは。ちなみに渡辺は7月開催のライブでもこの曲を熱く歌い上げており、曲への思い入れはガチだ。彼の「初恋」がこんなに沁みるのは必然。

 渡辺を見て愛理も泣いている。着ぐるみ越しに聞こえてくる嗚咽。

愛理「支店長。胸が、胸が……苦しいよ」

ムロ「すぐにいいことあるよ。若いんだから」

 部下を慰めようと愛理に添える右手が控えめでぎこちないのがいい。3話辺りでは下心で身悶えていたのに。

 初回ではあんなにクズだったムロが、カッコ良くなってきている。彼の変化こそ、5話の最も重要なポイントだ。ドラマのタイトル「Iターン」とは「I(私)ターン」の意味だという。人生の後半に差し掛かったムロがどうやって「私」を取り戻すのか? 傷だらけになり、体を張ってその過程を見せるムロ。愛理に掛けた「いいことあるよ」は、実は自分に言い聞かせる言葉でもあったという気がしないでもない。

(文=寺西ジャジューカ)

最終更新:2019/08/16 14:00
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