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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.547

故バート・レイノルズの人生をそのまま映画化!! 思わず感涙の大団円『ラスト・ムービースター』

バート・レイノルズの遺作となった『ラスト・ムービースター』。人気絶頂期の主演作『トランザム7000』(77)などの見せ場も挿入されている。

 2018年9月6日、米国の人気俳優バート・レイノルズが亡くなった。享年82歳だった。アクション俳優として活躍し、クリント・イーストウッドと人気を競い合ったレイノルズの遺作にして、最後の主演作となったのが『ラスト・ムービースター』(原題『The Last Movie Star』)だ。レイノルズ自身の生涯と重ね合わせような、気取りはないが味のある人間ドラマとなっている。

 大学時代にアメフト選手として鳴らしたレイノルズは、ハリウッドスターとして1970年代〜80年代前半に大人気を誇った。がっちりした骨太な体格に、黒々とした口ひげを生やした男臭さが魅力だった。ジョン・ブアマン監督の『脱出』(72)でブレイクし、負け犬たちの逆襲劇『ロンゲストヤード』(74)や米国版トラック野郎『トランザム7000』(77)ではマッチョスターとしての輝きを放っていた。『ダーティハリー』シリーズのクリント・イーストウッドを上回るほどのドル箱スターだった。

 そんなレイノルズの人気が下降していくきっかけとなったのが、イーストウッドと競演した『シティヒート』(84)だった。『シティヒート』の撮影中にレイノルズはあごに大怪我を負って激やせし、「レイルズはエイズ」というデマが流れた。『シティヒート』は作品の出来も興行結果も低調に終わり、レイノルズはヒット作に恵まれなくなっていく。一方のイーストウッドは監督業でも大成功を収め、アクション俳優以上の名声を手に入れることになる。助演作『ブギーナイツ』(97)での演技が評価されたレイノルズだが、アカデミー賞監督賞を受賞するなどハリウッドで超大物となったイーストウッドとの間には大きな差が開いたままだった。

 2017年に制作された主演作『ラスト・ムービースター』は、そんなレイノルズ自身の人生を丸ごと振り返ったような内容だ。ヴィック(バート・レイノルズ)はかつてハリウッドきってのアクション俳優として人気者だったが、今ではLAのがらんとした屋敷にひとり暮らし。生活をともにしていた愛犬も寿命で亡くし、まさに独居老人状態。数少ない楽しみは、旧友である元俳優のソニー(チェビー・チェイス)と会って、やんちゃだった頃の思い出に花を咲かせるぐらいだった。

 そんなヴィックに、ナッシュビルで開かれる映画祭から招待状が届く。特別功労賞を贈呈し、過去の出演作を特集上映するので映画祭に出席してほしいというもの。これまでの受賞者はロバート・デニーロ、ジャック・ニコルソン、そしてクリント・イーストウッドと超豪華な顔ぶれだった。ソニーにも勧められ、ヴィックは重い腰を上げることに。だが、手配された飛行機はエコノミー席。空港まで迎えにきた鼻ピの若い女性・リル(アリエル・ウインター)はスマホで彼氏とケンカ中。到着した会場は映画館でもホールでもなく、ただのバー。しかも、集まったのは主催者で、リルの兄・ダグ(クラーク・デューク)をはじめとする20〜30人程度の映画オタクたちだった。過去の受賞者たちは、ダグが勝手に賞を贈っただけで、誰も映画祭には来場していないことを知らされる。「壁に吊るしたプロジェクターに映したものは、映画とは呼ばない」とヴィックはブチ切れてしまう。

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