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安倍新内閣、予告された閣僚の不祥事スクープ不発は週刊誌ジャーナリズム終焉の前兆か

文=日刊サイゾー編集部(@cyzo

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「来週あたり週刊誌で何か出ると思いますよ」。9月11日の安倍新内閣発足を受け、テレビ番組でそう口にしたのは政治ジャーナリスト・田崎史郎氏だ。

「3T」と名付けられた武田良太国家公安委員長、竹本直一IT担当相、田中和徳復興相の他、加計学園問題で働きかけを疑われた萩生田光一氏を文科相に、市議との不倫が報じられた今井絵理子氏を参院1期目にかかわらず内閣府政務官に起用。

「まさにブラックジョーク。クビを取れるもんなら取ってみろ、とこちらを挑発しているかのようだ。その自信は『最強』な政権ゆえだろうが、中身は『最凶』『最狂』内閣だ」とは、ある週刊誌デスク。

 ところが週があけ、スキャンダルジャーナリズムの双肩を担う「週刊文春」(文藝春秋)、「週刊新潮」(新潮社)からも鋭いパンチは飛ばなかった。

「『週刊朝日』(朝日新聞出版)がネット記事で武田、竹本両氏の過去のスキャンダルを報じたものの、さらりとかわされました。続く文春、新潮はエース記者を選挙区に投入し、深堀りしたようですが、決め手に欠き、新内閣の記事は多くが小泉進次郎環境相に割かれることに。新聞、テレビが後追いするようなスクープはありませんでした」(政治部記者)

 なぜ不発なのか。「背景にはまず、スキャンダルのハードルが上がったことがあります」と解説するのは前出のデスク。

「第1次安倍政権では事務所費がクローズアップされました。問題を指摘された松岡利勝農水相は自殺まで追い込まれ、続く赤城徳彦農水相は絆創膏を貼っただけで総スカンを食らった。民主党政権では、荒井聡内閣府担当相の女性秘書が、政治資金でキャミソールを買っていたことが少額領収書開示によってバレて、『キャミソール大臣』と揶揄されることに。前原誠司外相は、在日韓国人から献金を受け取っていたことを認め、辞任した。こうした経験を踏まえ、とりわけ大臣候補となる議員事務所は、政治資金の扱いに細心の注意を払っているのです。つまり”表”の情報だけでの追及が難しくなった」

 となると”裏”を探ることになるのだが、もちろん記事化にこぎ着けるのはそう簡単ではない。社会部記者の弁。

「憎らしく思って告発したい人がいても、相手が大臣となると怖気づいて証言してくれませんからね。ようやく話しても『実名告白』でないとインパクトがない。文書や録音といった”ブツ”は不可欠となった」

 あげくに近年、政治家はすぐに名誉棄損裁判で訴えるようになった。昨年、文春が証拠文書を示した上で片山さつき地方創生担当相の口利き疑惑で追及したものの、片山氏は文春を1100万円の損害賠償を求めて提訴したことは、記憶に新しい。片山氏はこの開き直り戦術で見事に逃げ切っている。

「週刊誌の売上は年々右肩下がりですしね。カネと労力をかけて記事にしたあげく、売れないわ、裁判をおこされるわ、ではスキャンダル取材から撤退するのもやむを得ません。実際、2015年に『週刊ポスト』(小学館)が、高市早苗総務相の実弟が『不透明融資』に関わったとする記事を掲載すると、実弟から民事、刑事で告訴され、三井直也編集長は就任わずか1年で交代させられています」(前出・デスク)

 こうしてポストや「週刊現代」(講談社)、さらに文春のスクープ記者だった森下香枝氏率いる『週刊朝日』ですら、病気や相続を特集する”老人向け雑誌”と化しているのが現状だ。

 さらに身も蓋もないのだが、読者がそもそもスキャンダルを求めていないという風潮もある。
「あれはショックだった」とデスク氏が語るのは、9月5日発売の文春が、お笑いコンビ・EXITの犯罪歴を報道した際、世論の矛先が文春に向いたことだった。

「吉本興業の闇営業問題の流れで、意義あるスクープのはずなのに、『がんばっている人の足をなぜ引っ張るのか』と批判されたのです。ファクトに基づいて報じてこの反応ではやってられませんよ。文春はあわてて長文の反論をホームページに掲載しましたが、これまでのやり方では通用しないということ。過去をほじくり返すことに世論が冷たくなったのです。”文春砲”を率いた新谷学・前編集長ですら、今や『われわれはクビを取るために報じているわけではない』と綺麗ごとを言ってますからね(苦笑)」

 それでも権力監視には週刊誌の存在価値は十分にある。ここは歯を食いしばって、疑惑追及をしてほしいものである。

最終更新:2019/09/19 21:00

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