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日本さよならツアー中のKISS、その先に見据える再現芸術としての“襲名ビジネス”

KISS来日公演特設サイト

 バンドはメンバーが年を重ねれば、やがては引退するのが宿命だが、現在日本ツアー中の世界的人気ロックバンドのKISSが、その常識を覆すプランを用意。世界中の音楽関係者から熱い視線が送られている。

 1970年代から活躍する米出身のロックバンドKISS。シングルやアルバムの総売り上げは1億枚を超え、2014年には「ロックの殿堂」入りを果たしている。現在彼らは日本ツアーの真っ最中だが、見どころはこれが最後の日本公演だということだ。長らく世界のトップに立ってきた彼らだが、今回のツアータイトルは「END OF THE ROAD」。日本ツアーのポスターには「さらばKISS」「最後の日本公演」の文字が記されている。レコード会社の関係者がいう。

「1970年代、日本ではKISS、QUEEN、AEROSMITHの3バンドが人気でしたが、とりわけ人気が高かったのがKISSです。今や邦楽でも東京ドームでライブができるアーティストは数えるほどしかいませんが、KISSは前回の来日時も東京ドームでライブをやっており、今回のさよならツアーでドーム公演は4回目。映画があれほど大ヒットしたQUEENでも、来年1月のライブ会場は、さいたまスーパーアリーナですから、KISSの日本での人気ぶりが分かると思います。

 ビリー・ジョエル、フィル・コリンズ、オジー・オズボーンなど、欧米のミュージシャンは引退宣言しながらカムバックする例が多く、KISSも過去に引退ツアーをやりながら復活しましたが、メンバーはもうすぐ70代ですから、今回は本当に引退でしょう」(レコード会社の関係者)

 若者でも2時間近いライブをやるのは大変だが、KISSの場合、メイクや衣装、さらにハードロックという音楽性も身に堪えるに違いない。しかし彼らには次のプランが用意されている。ハードロックに詳しい音楽ライターがいう。

「KISSは昔から商売上手なことで有名ですが、そんな彼らがずっと温めてきたプランが“襲名”です。KISSの中心メンバーはポール・スタンレーとジーン・シモンズですが、そのプランは、“2代目 ポール・スタンレー”“2代目 ジーン・シモンズ”を襲名させ、KISSの名前のまま活動していくというもの。こうすればKISSというコンテンツで永遠に商売ができますし、オリジナルメンバーにもお金が入ります。これには『メイクをしているKISSだからこそできる』という意見もあるでしょうが、今やCDが売れず、ライブ収益に頼らざるを得ないアーティストにとって、非常に魅力的な手法です。

 これとはやり方が違いますが、音楽関係者が優れたビジネスモデルとして注目しているがモーニング娘です。モー娘は、メンバーをどんどん入れ替えながらも『モーニング娘』という“器”をしっかり残すことで、永遠に続けられる形を作りました。KISSモデルにせよ、モー娘モデルにせよ、成功するのはなかなか難しいでしょうが、うまくいけば旨味がとにかく大きいだけに、今後あとに続くアーティストはどんどん現れるでしょう」(音楽ライター)

 クラシック界のように、ポップミュージックが再現芸術に変わっていくのも時間の問題のようだ。

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最終更新:2019/12/17 14:38
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