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週刊誌スクープ大賞

菅官房長官が“殺された”のは必然か? 人望もカネも潤沢ではない男が側近スキャンダルで窮地に

 サンデー毎日は、ギリギリに突っ込んだのだろう。カルロス・ゴーンはなぜ逃げたのかを、作家の黒木亮に書かせている。ただし1ページだけ。

 黒木は、財をなした人間が、ニューヨークなどから逃げ出し、スイスやレバノンに移り住み、優雅に暮らしているのを見たという。

 だが、海外に行くときは、逮捕されないように細心の注意を払っていたそうだ。

 ましてやレバノンのベイルートは「中東のパリ」と呼ばれ、住みやすいところだそうだ。

 今回のゴーンの逃亡劇の舞台裏には、さして興味はない。私の関心は、お客に逃げられてしまった弘中惇一郎弁護士たちである。

 弁護士を信用して任せていれば、一生、逮捕されないかとびくびくしながら生きる道は選ばなかったのではないか。

 弘中たちがゴーンに、「無罪になる」という確信を与えられなかったことで、ゴーンは賭けに出た。

 そして見事にやってのけた。弘中に弁護を依頼したときから、裁判で無罪を勝ち取るのは難しい、そう考えていたのかも知れない。

 どちらにしても、東京地検特捜部も弁護士たちも、ゴーンの引き立て役にしかならなかった。

 私は、ゴーンのやったことが正しいとは思わないが、さすがに中東で過ごし、世界の荒波をくぐってきた男は、日産のモヤシのようなひ弱な人間ではなかったと思っている。

 このような男が、自ら率いた日産だから、あそこまで業績を回復させたのだろう。あらためて、これからの日産の行く末は、どこまでいっても暗いのではないか。

 現代は、恒例の「ニトリ会長の経済予測」を掲載している。

 似鳥昭雄会長も、東京五輪が終われば、景気は減速し、円高になると見ている。

 だが彼が他の人と違うのは、景気が悪いときは土地・建物・建築費が下がるため、「不況期に投資をすれば、割安に物件を手に入れることができ、優秀な人材の採用もできます」と考えるところである。

 さらにこれからは、デジタル革命に端を発する大再編成への備えが重要だと見ている。

 私が編集者なら、ここの具体的な方策をぜひ聞きた。デジタル革命という言葉だけがひとり歩きしている昨今、どのようなことが起きると考えているのだろう。

 凡庸な私のような人間には想像もできないが、ここにこそ、これからの出版の未来にも関わってくる「チャンス」があるのではないだろうか。

 ポストによれば、今年制度が変わってくることがいくつもあるそうだ。

 たとえば、2月1日からは「タクシー料金が変更される」そうだ。この間変わったばかりではないかと思うのだが、ポストによれば、首都圏では初乗り運賃が100円程度値下げされるそうだ。

 だが、その代わり、加算料金は引き上げられる。メーターの音に悩まされそうだ。

 この中で私が気になったのは、4月に施行されるという「同一労働同一賃金制度」だ。

 賃金、手当、福利厚生について、正社員と非正規社員との待遇差を禁止するというものだ。

 中小企業は後になるが、本当にそうなるのだろうか。

 ベテランの社会保険労務士は、正社員の家族手当や住宅手当を廃止したり縮小したりして、正社員の実質賃金が下がり、非正規もメリットがないものになりかねないというのだ。

 大企業の考えそうなことだ。そうなれば、何のための同一賃金なのか。正規と非正規が手を組んで、会社側にそのようなことをさせてはいけない。立ち上がれ! 労働者諸君!

 ポストに面白い話が載っている。世界的なイラストレーター・横尾忠則が、『男はつらいよ』の山田洋次監督にアイディアを盗まれたというのである。

 それも現在公開中の50周年記念映画、『男はつらいよ お帰り寅さん』のアイディアだというのだ。

 経緯がやや複雑なので、NEWSポストセブン(1/4 土 7:00配信)から引用させてもらう。

「今回の新しい『男はつらいよ』のコンセプトとアイディア、それは僕が山田洋次監督に示したものが核になっているんです。公開直前になるまで、その事実を彼は全然世間に明かさなかったし、僕に一言の断わりもなかった。事実を隠蔽されたから怒ってるんではありません。モノづくりに携わるアーティスト同士のモラルが、あまりに欠けてることに呆れ、憤ってるんです。要するにプライドの問題です。

 創造は取り込むことではなく吐き出すことです。感情も同じ。今回の週刊誌での抗議は、感情が自分の中を汚染しないために取った手段です」

 今回の記念映画は、これまでの『寅さん』映画から名場面をつなげて作ったものだ。最初、映画館でこのことを知った私は、そんなことをして面白いものができるのかと疑問だった。

 だが、アイディアはなかなかだと、山田監督の『寅さん』にかける熱意に感心したものだった。

 その大本のアイディアが他人のものだった?

 横尾と山田監督の出会いは、1995年に『男はつらいよ 寅次郎紅の花』を観た後、短いエッセイを新聞に書いたとき、浅丘ルリ子が読んで「エッセイのリリーの挿絵を山田監督が欲しがってる」と電話してきたそうだ。

 それからは蕎麦屋で会って話したり、山田の50周年記念展のポスターを書いたりして親交を深めていった。

「山田さんが『渥美さんなしに寅さんは撮れない』と寂しそうに言われた。だから僕は『撮れますよ』と応じたんです。彼は『どうやって?』と驚いて顔を上げたので、『過去49本の寅さんの映画から抜粋、引用してコラージュすればいい』と提案したんです。

 瞬間、山田さんは一言も発しなかったけれども、相当刺激を受けたようでした。次に『じゃあ、寅さんの過去作品を全部観てくれますか』と仰るから、ワクワクしましたよ。ギャラとか名誉とかではなく、僕にとって長年、映画製作は飽くなき興味の対象ですからね。だから『作品を作るなら、関わらせてください』と申し上げたんですけど、その一言には山田さんは無反応のままでした」

 この話はこれ以上進展しなかった。そして2018年10月31日、50周年記念映画を撮ると山田監督が発表した。

「いよいよ新作が始動した後は、山田さんの口から『寅さんの〈と〉の字』も出なくなりました。いくら鈍い僕でも“なんか変だなあ”ってくらいは感じてましたけどね。その時に僕は思いましたね。山田洋次映画に横尾忠則の名前が混じっては困ると彼が本能的にガードしてるんだなって。それでも、どこかで山田さんから『あのアイディア、とてもいけると思いましたから使わせてください』と挨拶があるはず、と期待してました。だって彼は映画人で、僕も美術家だもの。アーティスト同士、尊敬やマナーがあって当然でしょう?

 水面下で新作が進んでいると聞こえてきた折、親しい松竹のプロデューサーに、アイディアとコンセプトを山田さんへ教えた話をしたんですよ。プロデューサーから話が行けばいいかなと思ったんでね。でも、山田監督に忖度してるんでしょうか、何も伝えてくれなかった様子でした」

 横尾は、音楽がまだ入ってない「ゼロ号」という試写を観せられたとき、抗議のために憤然と席を立ったという。

 ポストのインタビューの前に、横尾は山田監督宛に抗議の手紙を送ったそうだ。

 すると山田は、その手紙を持って声を震わせて横尾のアトリエへ駆け込んで来たという。「彼は『誤解だ、当初から横尾さんの発案だと喋っていました』と言うわけ。僕がそんな話どこからも入ってこないと返すと、今度は『名前を出すと忙しい横尾さんに迷惑がかかるから』と答える。説明が二転三転した末に、なんとか懐柔しようと『これからの取材ではちゃんと横尾さんのことを言います。今度こそ一緒に映画を作りましょう』と僕の肩を抱いてくる始末(笑い)。全然、真意が伝わってないんだなと呆れました」

 最後に横尾はこう話す。

「芸術作品の根本はアイディアとコンセプトに尽きます。それが理解できない山田さんは芸術家ではありません。そんな彼と出逢ってしまった僕の今は、まさに『ヨコオはつらいよ』という感じかな」

 編集も同じである。必死で考えた企画を酒の席で喋ってしまったため、盗まれたという話などいくつもある。これを読む限り、山田監督の方が分が悪い。

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