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国家防衛のためのサイバーセキュリティ

中国共産党が猛抗議した!? サイバー戦争を描いた“リアル”すぎるSF小説の中身

『中国軍を駆逐せよ! ゴースト・フリート出撃す』(二見文庫)

 サイバーセキュリティ業界では、テロリストによる電力送電線への攻撃でヨーロッパがパニックに陥る様子を描いたドイツの小説『ブラックアウト』(角川文庫)など、実際に起こり得るかもしれない非常事態を描いた小説作品が時折話題になる。サイバーセキュリティの専門家としても知られるアメリカの国際政治学者、P・W・シンガーらが2015年に著した『中国軍を駆逐せよ! ゴースト・フリート出撃す』(二見文庫)も、そんな非常事態を描いた小説として注目を浴びた一冊だ。

 物語の舞台は近未来。共産党支配からより少数独裁的な新体制に変わった中国は、ロシアと共同戦線を結びながら、アメリカに攻撃を仕掛けてくる。その先制攻撃として用いられたのが、中国によるサイバー攻撃だった。アメリカ軍のネットワーク機器や兵器に使用されている中国製のマイクロチップがマルウェアに汚染され、突如、機能不全に陥ってしまうのだが、情報インフラの脆弱性を狙ったその手口は、かなりのリアリティと説得力をもって描かれている。そして、ハイテク機器の使用が不可能となったことで、中国軍に押される一方だったアメリカを救うのが、ハッキングの影響を受けない旧式艦隊、通称「幽霊艦隊(ゴースト・フリート)」だったという展開を見せる。

 ちなみに、本書の作者と版元には出版時、中国当局から激しい抗議が寄せられたとか。ただし、それは“あらすじ”に関するクレームというよりも、むしろ“共産党支配が崩れた後の中国”という、そもそもの設定自体に対するものだったようである。

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