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週刊誌スクープ大賞

安倍首相は自分のカミさんさえ「制御」できないのに、新型コロナウイルスを制御できるのか

 この注目記事の最後は「命の選別」という重いテーマである。

 世界中に新型コロナウイルスが蔓延する中で「選別」という言葉がひとり歩きしている。

 先週の現代はこう伝えている。

 イタリアのコロナウイルス“爆心地”ロンバルディア州のベルガモの病院の医師は、「わが国では、70歳以上で新型肺炎が重症化した場合、2人にひとりが亡くなっている状況です。彼らに人工呼吸器を着けさせなかったらどうなるか。(中略)ただ、どうすることもできない。人工呼吸器の数が足りない以上、若く、助かる見込みの高い患者を優先して治療しなければなりません」といっている。

 楡周平も新潮で、この問題について書いている。

 新型インフルの発生に備え、国は「プレパンデミックワクチン」を備蓄しているが、その量は1000万人分しかない。そこで「新型インフル対策措置法」で、「住民接種」を行う順位を、「妊婦を含む医学的ハイリスク者」「小児」「成人・若年者」、その次に「高齢者」として、この国の将来を守ることに重点を置き、高齢者を最後にすると提示しているという。

 今回のコロナウイルスの場合も同じことだが、高齢者は、そのことをどれだけの人が知り、受け入れる覚悟ができているのかと問いかけている。

 正直にいおう。私にその覚悟はない。それをいうなら、感染爆発を前にして、今頃、各家庭にマスクを配ろうなどといい出した、安倍を含めたアホな閣僚、役人たちが、率先して覚悟を見せるべきである。

 WHOもマスクで感染は防げないといっているのに、何百億円も浪費して無駄なものを送りつける輩たちに、国民の命を守るという気概などあるはずはない。

 あまりの愚策に、安倍ベッタリの作家、百田尚樹もたまりかねて、「一つの家庭に2枚の布マスク?なんやねん、それ。大臣が勢揃いして決めたのがそれかい!アホの集まりか。」とツイッターで叫んだ。

 百田は先日も、安倍の新型コロナウイルスの対応について、「安倍総理はこれまでいいこともたくさんやってきた。しかし、新型肺炎の対応で、それらの功績はすべて吹き飛んだ」

 とツイッターに書き込んだそうだ。ようやく安倍ポチにも、事の良し悪しが判断できるようになったらしい。

 さて、今週の最後は現代の巻頭特集で締めたい。

 ワイドショーで新型コロナウイルス肺炎の感染拡大で一番恩恵を受けているのは、テレビ朝日の『モーニングショー』だそうだ。

 何しろ番組丸ごと、コロナ専門チャンネルなのだ。それも、コロナの怖さと、政府の対策を批判するばかりではなく、安倍のポチ評論家を出して、政策の宣伝までしているのだ。

 そこで毎日顔を出して名前をあげたのが岡田晴恵という白鷗大学教授である。感染症の専門家という触れ込みだが、いっていることは当り障りないことばかりである。

 岡田が、日本の感染者のうちの死者が2.1%は高いといったことがあった。

 現代で森兼啓太山形大学医学部付属病院・感染制御部長は、

「致死率は年齢や持病の有無によって大きく異なります。軽症のため、検査を受けていない人も多く、軽症者の数も含めれば、致死率は下がる」

 と批判している。

 また、ここでもよくいわれるが、すべての希望者にPCR検査を受けさせろという説だが、いくら検査キットがあっても、技術者がいなければ検査はできない。

 検査結果が出るのは通常6時間ほどかかるから、希望者が殺到すれば、順番待ちで大変なことになるそうだ。

 この特集の中で見逃せないのが、今も世界中で起きている「命の選別」である。

 先週の現代で、ミラノ在住のヴィズマーラ恵子が、「地元の新聞では、一部の病院で、『70歳以上の患者さんに対しては、大量のモルヒネを投与して安らかに逝っていただく』措置を取っているという内容が報じられています」(同)と話している。

 ニューヨークでも同じことが起きていると朝日新聞(3月30日付)が報じている。

「これまで高齢の患者が肺炎で呼吸困難に陥ったら、『挿管してほしくない』と意思表示があるケース以外はしていました。何歳であろうが、患者の意思を尊重し、生きるチャンスに懸けてみる。当たり前のことです。

 ただ、いまはそんなことはとてもできません。患者や家族がいくら挿管してほしいと言っても、『生き残る可能性が高いひと』を選ばざるをえない。患者に決定権を与えられない。平常時なら助けられるかもしれない患者を助けられないんです。これは、医師としてやりきれない。でも、そんな『命の選別』のようなことを、せざるをえない状態です」

 これからは日本でも、病院の入り口に「犬と高齢者は入るべからず」という張り紙が貼られ、疾患のない高齢者でも、検査を受けられないという事態が出来するかもしれない。

 世界中で起きている「命の選別」が、年寄りを軽視するこの国で起きないわけはないと、私は考えている。

 人工呼吸器は日本全国で3万台近くあるといわれ、政府も増産を指示しているから、今後増えることが予想されるが、肺機能が低下した重症患者の血液に酸素を送る装置であるECMO(エクモ=体外式模型人工肺)は1400台ほどしかないそうだ。

 亡くなった志村けんもこれを使ったようだが、さらにECMOを用いる治療には専門の医師と看護婦、臨床工学技士が必要だが、人材が極めて少ないといわれる。

 イタリアでは、人工呼吸器さえも60歳以上にはつけないという「シンプルな基準を設けた」(坂本知浩済生会熊本病院循環器内科部長)そうだ。

 100年以上前のスペイン風邪をもちだすまでもなく、こうしたものは、一度終息したかに見えても、再び猛威を振るうことがある。

 今回の新型コロナウイルス肺炎も、そうしたケースを考えれば、来年7月の東京五輪は不可能といってもいいだろう。

 安倍が、再び延期される東京五輪を見ながら、寂しく表舞台を去っていく姿が見えるようだ。(文中敬称略)

【巻末付録】

 合併号の現代から。

「巨匠・篠山紀信の新世界-『SiSter』」。何だかわからないけどいいな。

「名器の誕生100人が100人とも違う、女性たちの原点」

「山崎あみ、日テレ『ズムサタ』お天気キャスター-美脚公開の初グラビア」

「出口亜梨沙、Gカップをお届けします-『巨乳すぎるレポーター』で全国区」

袋とじは「新進女優・和田瞳、初ヌードを独占掲載-初主演映画で大胆濡れ場を披露」

 お次はポストから。

「高学歴グラドル-ビキニになった才媛たち 慶応義塾大学・街山みほ、福井セリナ、青山学院大・岡田紗佳ほか」

 袋とじは「大きなお姉さんは好きですか?-私、○○が大きいんです 浜崎真緒、三島奈津子、宮園ことね、葵百合香、日下部加奈」

 最後は毎度おなじみの「なをん/すずの想い出英会話」

 やはり理合併号だけあって、質量ともに現代の圧勝だな。

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2020/04/07 21:00
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