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ドラマ評論家・成馬零一の「女優の花道」

令和の桜井幸子? 秋田汐梨『惡の華』『ホームルーム』で見せた存在感

文=成馬零一(なりま・れいいち)

スターダスト公式サイトより

 学園ドラマや学校を舞台にした映画がヒットすると、のちにその作品に出演した若手女優が一気に活躍することがある。映画では『告白』や『桐島、部活やめるってよ』、最近のドラマでは2019年に放送された『3年A組-今から皆みなさんは、人質です-』(日本テレビ系)がそういう作品だった。

 放送当時から注目されていた永野芽郁、上白石萌歌、川栄李奈、今田美桜はもちろんのこと、NHK連続ドラマ小説『エール』に出演する堀田真由と森七菜、戦隊ヒーロー番組『魔進戦隊キラメイジャー』(テレビ朝日系)の新條由芽、『ゆるキャン△』(テレビ東京系)の福原遥、大原優乃、箭内夢菜と粒ぞろいだが、個人的に最も注目しているのが、前クールに学園ドラマ『ホームルーム』(MBS)に富田望生と共に出演した秋田汐梨だ。

 秋田は、『3年A組』では明るい女子高生・秋庭凛を演じたのだが、『ホームルーム』では眼鏡をかけた野暮ったい女子高生・桜井幸子を好演した。

 本作はWEBコミック配信サイト「コミックDAYS」(講談社)の千代による同名漫画を小林勇貴監督がドラマ化したもの。主人公の愛田凛太郎(山田裕貴)は、学校で人気のさわやかな教師だが、桜井に対して歪んだ愛情を持っており、彼女に対するいじめを自ら仕組んで、それを解決する姿を見せることで彼女の王子様として振る舞っていた。

 同時に桜井の住むアパートの合鍵を勝手に作り、寝ている時に忍び込んで全裸でベッドの下に潜り込むといった変態行為を繰り返すストーカー野郎なのだが、実は桜井も愛田に好意を持っていて、彼女自身にも病んだ一面があることがわかってくるという、異常な学園ドラマだ。

 ところで、桜井幸子と聞いて、とある女優を思い出す人も多いのではないかと思う。桜井幸子は1988年から2009年まで活躍した女優で、野島伸司脚本のドラマに多数出演していた。中でも一番の代表作といえるのは、93年の『高校教師』(TBS系)だろう。

 本作で桜井は、真田広之演じる教師と禁断の恋に堕ちる、二宮繭というミステリアスな翳のある女子高生を演じた。

 レイプや近親相姦といったショッキングなシーンが次々と登場する本作は、野島が作家性を確立した作品だが、おそらく『ホームルーム』は『高校教師』の影響を強く受けているのではないかと思う。

 ドラマの作り手もそのことを踏まえてか、森田童子が歌う『高校教師』の主題歌「ぼくたちの失敗」を彷彿とさせる劇伴を使用していたのだが、何より桜井を演じる秋田汐梨の雰囲気に、当時の彼女を彷彿とさせる翳があった。

 すでに引退していることを差し引いても、桜井は現役時代から半分伝説化していた女優で、ドラマ以外の露出が極端に少なかった。

 NHK朝ドラ『おんなは度胸』で女優としてブレイクして以降も、アイドルとしてバラエティ番組に出演していたのだが、どこか居心地が悪そうで、だからこそ『高校教師』『人間・失格~たとえば僕が死んだら』『未成年』(いずれもTBS系)といった野島が描く暗い世界を象徴するヒロインに見事ハマッたのだろう。

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