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「モラハラのトリセツ」第9回

夫は逮捕され、シェルターに逃げ込んだ妻……同級生夫婦が壮絶DVから回復するまで(前編)

文=中村カズノリ(なかむら・かずのり)

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 こんにちは。メンズカウンセラーの中村カズノリです。

 緊急事態宣言が発令されて1カ月超、家にいる時間が長くなりました。悪く言えば逃げ場のない状況でお互い余裕がなくなり、夫が妻を殴ってしまった、妻が夫を刺してしまった、そんな事件が連日のように発生しています。夫婦間で何があったのか、実際のところは短い報道からはわかりませんが、DVやモラハラに関する相談は僕のところにも多く寄せられています。

 一般的には家庭内で殴る・蹴る等の暴力を伴う行為を「DV」、物理的な暴力に至らないものを「モラハラ」と呼びますが、その根っこは同じ「パワーコントロール」だということは第1回でお伝えした通りです。

 これまでは、主として「モラハラ」に焦点を合わせてお伝えしましたが、今回は身体的暴力を伴う「DV」について、当事者の体験談を交えながらお話しします。

 お話を伺ったのは、会社経営者のKさんとその妻、Hさんです。共に30代で、2人の間には小学生のお子さんがひとりいます。

 実はこの2人、僕がモラハラ加害者だった6年前当時から「脱暴力ワーク」(※註1)で一緒に学んできた仲間でもあります。と同時に、僕の知る中では最も激しいと言ってもいいDV加害・被害から回復した当事者でもあります。

 2人は中学校時代の同級生で、今から8年ほど前に結婚しましたが、それ以前からケンカが絶えなかったといいます。ケンカの原因は「何かしている時に関係ないことを聞いてくる」とか「物を置いたときに音を立てられた」といった些細なきっかけだったそうです。

 加害者である夫・Kさんは「気に食わない」という気持ちが芽生え、そんな時、ほぼ毎回「殺すぞ!」という言葉が最初に出てきたといいます。

 妻・Hさんによると、付き合っていた頃からDVのサイクルがあったそうです。このサイクルとは「緊張期(小さな暴力のある時期)」→「爆発期(激しい暴力が爆発する時期)」→「解放期(謝ったり、優しくなる)」を経て、また緊張期に戻って、それを繰り返してしまうことです。

 とはいえ、結婚前はそこまでひどくはなかった暴力ですが、次第に激しくなっていきます。結婚直後、当時のKさんの上司に当たる人に誘われ、家族ぐるみで旅行に行った際、Hさんが夫のことを冗談めかして話したところ、Kさんが上司にイジられるという場面があったそうです。Kさんはその後「よくも恥をかかせたな!」と、Hさんを殴りました。

「口論がエスカレートして、蹴ったり平手打ちをよくしていた」と語るKさん。その後、Hさんが妊娠しても暴力は続きました。

 HさんがKさんに対し、家にあまりお金を入れないことをとがめたり、もっと家事に協力してほしいと伝えるたびに「誰のおかげで飯を食えてると思ってるんだ!」というセリフとともに飛んでくる平手打ちのほか、一時的に家から追い出すという仕打ちがあったそうです。そんな状況は、子どもが生まれても変わりませんでした。

 そしてある日、いつものように口論からエスカレートし、激高したKさんが振り回した子ども用のおもちゃがHさんの顔面に当たり、Hさんは鼻を骨折、流血するというケガを負います。

 Hさんがその場で通報したため、すぐに警察官が駆けつけ、さらに救急車も来ての大騒ぎになります。Kさんは、そのまま事情聴取を受けることとなりました。

 Hさんは「この家で何が起きているかを、誰かに知ってほしい」「警察に仲裁に入ってもらい、相談実績を作っておきたい」という思いで介入してもらったそうです。そして救急車で病院に運ばれたHさんは、手当てを受けながら、警察の取り調べを受けることになりました。

 Hさんとしては「大ごとにはしたくない」という気持ちが強かったそうですが、入れ代わり立ち代わり訪ねてくる警察官に「(DVは)治らないから、逮捕しないとダメだ」と被害届を出すことを迫られたといいます。取り調べは8時間ほど続き、最後にはHさんが折れて、仕方なく被害届を書きました。

 事情聴取の2日後、Kさんは逮捕され、留置所で20日ほど、その後拘置所で1カ月弱過ごすこととなりました。

 生まれて間もないお子さんを抱えたHさんはうつ状態となり、薬も飲むようになってやむなく断乳。母親失格の烙印を押された気になってしまったといいます。何気なく見ていたテレビで家族だんらんの映像が出てくると号泣してしまう状態だったそうです。

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