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週刊誌スクープ大賞

安倍首相が目玉にした「持続化給付金」を受注したサービスデザイン推進協議会に数々の疑惑が浮上

 ところで、ダービーは圧倒的な1番人気に支持されたコントレイルが圧勝した。単勝140円、馬連270円、3連単5140円は、ダービー史上最安値(?)だそうだ。

 勝つのはコントレイルだと思っていたが、唯一の気がかりは鞍上の福永だった。このところ乗れていない。先週も、デアリングタクトに騎乗した松山弘平が、道中、何度も下手な騎乗をして、見ているこちらをハラハラさせた。

 直線でも、外に出せず、前は開かず、ダメかと思っていたが、わずかなスキを突いてタクトが猛然と抜け出し、ゴール前で前を捉えて勝った。

 馬が強かった。騎手は最低だった。今回もそれがあるのではないかと思って見ていたが、先頭から3,4番手を楽々追走して、直線に向いても手綱は持ったまま。

 坂を駆け上がり、後ろからサリオスが伸びてくると、ようやくムチを入れた。

 瞬間、ゴムまりのように弾け空を飛んだ。3馬身差を付けたが、実感としては10馬身差ぐらいあったのではないか。

 昨年惜しまれて亡くなったディープインパクトの真の後継者がようやく出た。

 コントレイルは「飛行機雲」という意味だ。競馬ファンというのは致し方ないもので、夢を次々に膨らませていく。

 菊花賞などいいから、次の日曜日の「安田記念」に出るアーモンドアイと早くやってくれないか、凱旋門賞はどうかと考えてしまう。

 ディープインパクト以来、本物のディープインパクト産駒の登場である。走りから見ても、ケガをするタイプではなさそうだ。距離は1600mから2500mまでこなせるだろう。無観衆という特殊なダービーだったが、コントレイルがゴールインした瞬間、私には、大観衆の喚声が確かに聞こえた。

 世界一を狙える名馬が誕生した瞬間であった。競馬っていいよなぁ。

 さて、またまた文春がスクープした。文春の報道の後を新聞各社が追い、大きな騒ぎになっている。

 安倍がコロナ不況の緊急対策事業の目玉にした「持続化給付金」を受注した「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」なるところがある。

 契約日は4月30日。契約総額は769億円にも上る。ここに数々の疑惑があるというのである。要は、

「経産省に太いパイプがある当時電通社員だったA氏。電通が国の業務を間接的に請け負うための隠れ蓑として設立された、実体のない“幽霊法人”だと言われています」(代理店関係者)

 ここの登記簿には理事はAのほかに電通の関連会社役員2名で、所在地は築地。だが、そこへ行ってみても人気は感じられない。Aは文春の取材に答えない。2人の理事は、「経産省の方から立ち上げの直前に代表理事を引き受けてもらえないかという話が来た」(赤池学)「私は電通の友人に頼まれて」(笠原英一)と、何もしていないというのである。

 同志社大学政策学部の真山達志教授が指摘するように、「経産省が外郭団体の設立に関与することは天下りや不祥事の温床になります」。コロナで倒産寸前まで追い込まれている企業は、持続化給付金を頼りにしているが、トラブルが多く、受給できない企業からの非難が相次いでいる。

 それなのに、電通と組んで、自分たちの思い通りになるトンネル会社を立ち上げたとすれば、経産省は、この非常時に何ということをするのか。この問題は、国会で決着をつけてもらおうではないか。

 朝日新聞(6月1日付)がこう報じている。

「経済産業省中小企業庁はこの手続き業務をサービスデザイン推進協議会(東京)に委託。協議会はさらに業務の大部分を広告大手の電通に再委託していた。

 29日にあったこの問題の野党合同ヒアリングでは、協議会について『実態があるのか』などといった質問が相次いだ。

「電話番号がない。オフィスも閉まっている」

「はっきり言って怪しい。あまりに不自然じゃないか」

 野党議員は協議会の実態が不透明だと追及。これに対し経産省は、協議会が過去にも補助金事業を受託した実績があるとして、『しっかりと仕事をして頂けると確信できる』と主張する。だが、協議会の詳しい事業内容や再委託をめぐる経緯などは示せていない。

 経産省によると、協議会は電通、人材派遣大手パソナ、コールセンター大手のトランスコスモスの3社が中心となり、2016年に設立された。現在の従業員数は14人で電通やパソナからの出向者もいる。6月以降は21人に増えるという。

 協議会をめぐっては、誰が責任をもって業務をしているのかなどがはっきりしない。登記されている東京都中央区の事務所を取材で訪ねても、インターホンには反応がない。『当協議会では持続化給付金事業についてのお問い合わせ/ご相談への対応はできかねます』との貼り紙があった」

 さて、今週の第1位は、先週、黒川の賭け麻雀をスクープした文春の第2弾。内容的にはさしたるものはないが、あれだけのスクープを放ったことへ敬意を表して、今週も第1位とした。

 検事総長間違いないと思われていた黒川弘務東京高検検事長を見事な「賭け麻雀」スクープで追い落とした文春が、その経緯の一端を明かしている。

 黒川の異例の定年延長がなされた後の今年2月、文春の情報提供サイト「文春リークス」に情報が寄せられたという。「黒川が産経の記者と賭け麻雀をしている」というものだった。

 すぐに連絡を取り、対面したところ、情報提供者は自ら身分を明らかにしたという。件の産経新聞関係者が腹を括っていたことがわかる。

 だがこの時点の情報では、正確な日時、場所、4人目が誰なのかはわからなかった。そこから取材に2ヵ月をかけ、産経のAのマンションでやるということを突き止める。

 何度かここで書いているが、こうした情報は、今は文春にしか入らない。情報を持っている人間は、もし、「現代リークス」や「ポストリークス」というのがあっても、そこへは行かない。なぜなら、提供しても、取材力も取材費もない編集部では、満足なものにはならないからだ。

 文春がうらやましい。週刊誌が火花を散らしていた往時なら、こうした情報が各週刊誌編集部に舞い込み、熾烈な取材合戦になっただろう。スクープは売れないといわれるが、この黒川賭け麻雀スクープは完売したそうだ。(文中敬称略)

【巻末付録】

 まずは現代から。「性の大型研究企画第12弾/性的興奮と所有の関係」「徳江かな-テレビCMの美少女が下着を外して」

 袋とじは「話題沸騰!『元モーニング娘。』福田明日香完全初公開ヘアヌード12P」。私は歌の世界は詳しくないが、元モーニング娘。というのがよくヌードになっている気がするのだが、この娘も、中年(失礼!)の色気が漂っていい雰囲気だ。

 お次はポスト。

 巻頭から、「写真家・竹中直人が撮った名女優たち-誌上エロティックムービー」と袋とじ「8人のビキニ美女と楽しむ『南国旅行』動画」。こういう美女と南国へ行ったら楽しいだろうな。

 後半は「びちょ濡れの女たち-バスタイムの秘密、初めて明かします 竹内渉、上本沙緒里、花那、岡田紗佳、高宮まり、椿原愛」

 袋とじは「天は美貌と美BODYの二物を与えた GRAPHIS、吉岡ひより、加美杏奈、本庄鈴、小倉由菜」

 これも袋とじ「美女7人リモート全裸撮影会-<女体>を撮る写真家・七菜乃が挑んだ!」

「なをん/昨日、あの小説を読みました」「美女ボディボーダー・白波瀬海来-ビキニで波乗りYEAH!」

 数は多いが、意外にこれといったものはない。私の好みは『元モーニング娘。』福田明日香だな。今週は、平週号の現代に軍配だな。

 これとは違う話だが、今日、駅の「New Days」へ行ったが、現代が置いてなかった。先週の金曜日に覗いたときにも(今週号は金曜日発売)、現代の姿はなかった。

 変則発売で、置いてくれなくなったのではないか? ちと心配している。

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2020/06/01 21:45
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