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キングオブコント予選がコロナで大荒れ! 関西賞レースチャンピオンが戦線離脱の悲劇

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公式HPより

 お笑い界が第7世代ブームに湧く中で、今年も「キングオブコント」と「M-1グランプリ」の予選が始まっている。いずれの賞レースも、今年はコロナの影響を鑑みて、いつもより予選の回数を減らし、2回戦の次が準々決勝になる予定だ。

「キングオブコント」は例年9~10月に決勝が開催される。8月6日には、準々決勝進出者が発表された。だがその直前、お笑いファンを騒然とさせる出来事が起きていた。関西で、注目株コンビの出場辞退が相次いだのだ。

 2回戦は大阪と東京の2箇所で複数日程にわたって開催される。最終日となったのは、8月6日の大阪だった。

 ところが直前の2日、大阪吉本所属の若手コンビ・ラニーノーズの洲崎貴郁が新型コロナウイルスに感染したことを発表。正式に発表になる前から、周辺の芸人たちの劇場ライブ出演キャンセルが相次ぎ、ファンの間では「誰か感染したのか?」と憶測の声が飛んでいた。

 その後ラニーノーズの相方・山田健人も濃厚接触者と判断され、PCR検査で陽性と診断されているが、今のところその他の芸人の感染は発表されていない。濃厚接触疑いがあったため、自宅待機の措置となったのだろう。

 だが不幸なことに、この期間がまさに「キングオブコント」大阪2回戦の日程と重なってしまった。結果として、複数のコンビが出場を辞退。その中には、7月に『ABCお笑いグランプリ』(朝日放送)で優勝したばかりのコウテイや、昨年の『ネタパレ』(フジテレビ)ニューイヤーグランプリで優勝したヒガシ逢ウサカほか、前評判の高いコンビも複数含まれていた。彼らが参加できなくなったことに、お笑いファンたちは「誰が悪いわけでもないだけに悲しい」「楽しみだったから残念」と落胆の声を禁じ得なかった。

「キングオブコント」側も、こうした事態を重く見たのか、今後の対策は打っている。準々決勝開催を控えて、出場者が新型コロナ関連でやむを得ず当日欠場することになった場合、事前提出された動画による審査を行う旨を発表(動画提出は任意)。万が一、開催当日に身動きがとれなくなっていたとしても対応できるようになっている。

 とはいえ、社会状況がすぐには変わらないことは目に見えている以上、決勝進出者が同様の事態に陥る可能性は十分にある。さすがにテレビ放映する決勝戦も動画審査というわけにはいかないだろう。

 実際、8月2日に放送された関西の賞レース『ytv漫才新人賞決定戦』(読売テレビ)では、決勝に出場予定だったマユリカが、仕事を共にした人の中で陽性者が出たことから、大事を取って棄権。2018年には霜降り明星、2019年にはその年のM-1ファイナリストとなったからし蓮根が優勝した伝統ある賞レースだけに、かける思いは大きかったはずだ。MCをつとめた千鳥も番組内でマユリカの無念を推し量っていた。

 もちろん、対策をしていたのに新型コロナに感染してしまうことも、濃厚接触者と判断されることも、誰も責められるべきではない。ラニーノーズにしても2回戦出場を辞退しており、悔しい思いを噛み締めているだろうことは間違いない。

このままどうにか決勝を開催できたとしても、2020年の賞レースは全体的に不完全燃焼なものだったとしてお笑い史には刻まれるだろう。せめてこれから生まれる今年のチャンピオンに、万全でない年を見事に走りきったという意味でも賞賛を贈るほかない。

岩見司(ライター)

ライター。芸能を中心にポピュラーカルチャー関連記事を執筆

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最終更新:2020/08/14 11:00
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