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『アンサング・シンデレラ』第10話が“神回”だと話題に…“ヒール”だった七尾副部長に称賛集まる

『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』公式サイトより

 石原さとみの主演ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)の第10話が9月17日に放送された。第9話で、ステージⅣのがんを患っていることが判明した瀬野章吾(田中圭)。問題となる副腎がんには有用な治療薬がなく、治療のために残された道は、海外で開発された“治験薬”を使用することだった。

 主人公・葵みどり(石原)に治験薬を勧めてきたのは、薬剤部で治験管理を担当している七尾拓(池田鉄洋)。七尾は度々瀬野と口論となっており、瀬野に対して「殴るとまた問題になりますよ」「君のお母さんを救えなかったのは誰のせいでもない」と意味深な発言をしていた。そんな七尾が勧める治験薬……しかし、瀬野が生き延びる道はこれしかない。みどりは治験実行に向けて動き出した。

 治験を行うには、あらかじめ病院内の治験審査委員会の承認を得る必要がある。委員会当日、みどりや瀬野の担当医師が今回の治験の意義を丁寧に説明し、順調に委員会の賛同を得られる流れとなった。ところが、委員の一人から「治験対象者は薬剤部の人なんですよね?」「身内だからえこひいきしているんじゃないんですか」と指摘されてしまう。会場がざわつき、流れが変わってしまいそうになったその時、七尾が立ち上がった。

 「治験を受ける患者のためだけに、治験があるのではありません」。そう、治験とはその薬の有用性や安全性など、実際に使ってみなければわからないことを確かめ、未来の医学に役立てていくためのもの。今回瀬野が治験薬によって病状が改善すれば、今後副腎がんを患った人もその薬を用いてがんを克服することができるかもしれない。その後も七尾は治験の重要性を力説し、会場を納得させて委員会の承認を得たのであった。

 七尾は、過去にも副腎がんの患者を担当したことがあった。それは、瀬野の母だ。七尾の提案によって治験薬を投与するも病状は改善せず、病に侵され亡くなってしまった瀬野の母。彼女を助けられなくて一番悔しかったのは、もしかすると七尾なのかもしれない。ポーカーフェイスで本心はわからない七尾だが、「今度こそは助けたい」その一心で、今回の治験実行に尽力しているように見える。

 「治験」と聞いて、良いイメージを持つ一般人はあまりいないだろう。治験について詳しく知らないからこそ、漠然と「怖い」「危なそう」と思ってしまう人も少なくないはず。そんなイメージを拭い去ってくれた『アンサング・シンデレラ』第10話。残りわずかとなったが、最後まで薬の大切さを視聴者に届けていってほしい。

■番組情報
木曜ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』
フジテレビ系/毎週木曜22:00~
出演:石原さとみ、田中圭、西野七瀬、真矢ミキ、成田凌、 桜井ユキ、井之脇海、
金澤美穂、迫田孝也、池田鉄洋、でんでん ほか
原作:荒井ママレ
脚本:黒岩勉
演出:田中亮、相沢秀幸
音楽:信澤宣明
プロデュース:野田悠介
制作著作:フジテレビ第一制作室
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/unsung/

早乙女りこ(ライター)

東京生まれ神奈川育ちのフリーライター。映画・ドラマはジャンル問わず幅広く鑑賞しており、物語の展開を予想したり、役者の演技を複数作品で見比べたりすることが趣味。

さおとめりこ

最終更新:2020/09/21 08:30
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