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週刊誌スクープ大賞

菅義偉内閣の顔ぶれでは何も期待できない…正体は大派閥による実質的な「第三次安倍政権」

 さて、菅政権発足したばかりだが、早くも解散総選挙が取り沙汰されている。国会冒頭解散、10月25日投開票という噂がしきりだが、私は、今回の組閣を見て、解散は遠のいたのでは考えている。

 高齢者ばかりで女性はわずか2人では清新さはなく、支持率も上がらないだろう。

 だが、派閥のボスたちは野党の選挙準備が整わないうちにやれと、菅に迫っているのではないか。

 9月17日の「首相動静」(朝日新聞)に、「レストラン『ORIGAMI』で選挙プランナーの三浦博史氏と食事」とある。

 18日の日経に「菅内閣支持率74%」とあった。歴代3位だという。

 現代は、11・1総選挙として、全国289選挙区の当落予想をやっている。菅政権が歴史的勝利すると見ていて、自民党は43議席増の327議席になり、立憲民主党は29議席減の78議席になるという。無邪気すぎるのではないか。

 小泉純一郎が首相時代の秘書官、飯島勲は文春で「解散を思いとどまれ」と書いている。理由は、コロナ禍で世間は苦しんでいるのに選挙などとんでもない。「いくら支持率が高いといってもそんなの神風じゃないけど、あっという間に雲散霧消して手痛いしっぺ返しを食らいかねないよ」。国民はいつまでもバカじゃない。私もこの見方に賛成。

 国会が始まれば、官僚の書いたペーパーを読み上げ、自分の言葉もビジョンも持たない、安倍や麻生、二階らの傀儡だということを国民も知ることになり、支持率は急落すると思う。

 菅が何とかの一つ覚えのように繰り返す「自助・共助・公助」の評判が悪い。朝日新聞(18日付)の「声」欄。「公助が最後に位置付けられる点に、『努力しない者は助けないぞ』という響きを感じる」、この順序は見直すべきだとあった。納得。

 さて、今週も菅内閣についての話題が多い。これらをまとめて第1位としたが、読めば読むほど腹が立つ政権である。

 予想通り「安倍義偉内閣」が誕生した。中には「第三次安倍政権」という者もいる。どちらにしても大派閥による傀儡政権であることは間違いない。

 さて菅政権が誕生した。内閣の顔ぶれを見れば、この政権に期待できるものなど何もないことがよくわかる。二階俊博、麻生太郎、菅の「悪相三羽烏」は、テレビを見る気を失せさせるに十分である。

 それにしても、菅という男、永遠に安倍のナンバー2でいいと思っているのだろう。改造人事も、安倍官邸の側近たちも、ほとんどそのままの「居抜き政権」である。

 要の官房長官に、安倍の側近・加藤勝信を指名した時点で、内閣の陣容は決まったも同然だった。総裁選を戦った岸田、石破を起用しないというのは安倍と菅の合作であろう。

 岸田はともかく、石破を反菅に追い込んだのは、石破に党を割る口実を与えてしまったと思う。次の総裁選の目もなくなった石破には、党を出なければ将来はない。それができなければ、ただの偏屈な政治家というだけで終わる。

 文春、新潮は、菅の金脈、河井克行元法相夫妻に流れた1億5000万円の選挙資金と菅、二階の関与など、チクチクと書いてはいるが、今のところ大スキャンダルに発展するかどうかはまだ見えない。

 たとえば、「Go Toイート」事業には事務委託費として最大469億円の予算が投じられ、このうちのオンライン部門では、菅と親しい「ぐるなび」創業者の滝久雄会長への委託費が高額になると見られると文春が報じている。

 同じ文春が、菅の選挙区にある京浜急行電鉄は長年、菅に経営陣が多額の献金を行ってきており、菅の進めているIR「横浜カジノ計画」への参入を目論んでいると報じる。

 先に新潮が報じた菅と親しい企業への優遇策もそうだったが、失礼ないい方になるが、菅の付き合う連中は、大企業や超大物ではない。他の政治家たちが囲い込んだ企業や権力者たち以外の、中小や新興勢力を取り込むセコイ「隙間金脈」が菅の持ち味だから、中スキャンダルぐらいにはなるかもしれない。

 今度の人事で一番注目されたのが、安倍官邸を牛耳ってきて、一時は、菅と敵対したといわれている今井尚哉首相補佐官兼政務秘書官の処遇と、その後釜に座るのは誰かということだった。

 ノンフィクション・ライターの森功は、先週のサンデー毎日で、菅は今井を許し難いと考えているから、参与に格下げし、杉田和博官房副長官をそのままにして霞が関を抑え込み、忠臣・和泉洋人を今井の後任に据えると見ていたが、その通りになった。

 唯一、菅が安倍の意向に逆らった人事ではなかったか。かくして、部下の大坪寛子との不倫にも関わらず、和泉は今井に替わって官邸のドンに成り上がったのである。

 ポストは、菅政権は「重税国家」作りを始め、「中小零細企業がどんどん潰れて日本経済の転落が加速する」と見る。

 なぜなら、菅はこれまで、財界や大企業ベッタリの政策をやり続け、これからも奴らのいいなりになるのは火を見るより明らかだからだ。

 文春は、菅が「省庁の縦割り打破をやる」「デジタル庁を新設する」と、壊れたラジオみたいに繰り返すのは、あの悪名高い竹中平蔵の受け売りだからだと見ている。

 小泉政権で総務相を務めた竹中に仕えていたのが菅だった。竹中に「地頭が良い」といわれたらしい。大学教授に褒められたのがよほど嬉しかったのだろう。夜な夜な怪しげなパーティを催すことで名高い、パソナの迎賓館「仁風林」へも行ったことがあるそうだ。

 竹中は派遣法を改悪し、超格差社会を作り出したのに、人材派遣会社パソナの会長に就く。こんな人間を、安倍も重用し、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産を株で運用するという“暴挙”を思いつき、竹中にいわれて運用に舵を切ったのが菅であった。

 スポニチの「永田町ウラ情報 政界噂の㊙日誌」も、菅の規制改革を進めるという考えを、「随分と古臭い、カビくさいテーマを持ち出してきた」(自民党の閣僚経験者)とし、さらに「自助・共助・公助」は竹中の主張と同じで、自助は新自由主義の流れで、「『叩き上げ』『苦労人』を強調する菅首相だが、これまで主張してきた政策を見る限り、苦労人ならではの目線の低さは見えてこない」とバッサリ。

 それどころか、ポストによれば、菅は蓄財の名人だという。

 現在、菅夫妻は、横浜駅から徒歩数分のウォーターフロントに建つ最高級のタワマンに住む。広さは約100㎡、時価は1億5000万円程するそうだ。

 新婚生活は木造アパートの2階、8畳2間。市議時代の92年に5階建てのマンションの最上階を購入。相場は7000万円ぐらいだった。ローンで買ったのだが、わずか3年で払い終えている。

 市議の報酬は約1500万円。3年では返せない。しかも、95年は、国政に出るために浪人生活を送っていたのだ。代議士3年目に、横浜南区の事務所と土地を約5700万円で購入。これも3年で完済している。

 現在のタワマン購入後、元の自宅マンションと事務所は売却しているそうだが、4427万円の金銭信託を所有している。ポストによれば、菅がまだ当選1回の駆け出しのころ、菅の資金管理団体「横浜政経懇話会」の政治資金報告書(98年)によると、横浜の企業や大手ゼネコンなど150社から、4600万円の献金を集めていたという。

 さらに現在は、年間1億円を超える政治資金を集め、自民党屈指の集金力を誇る。

 政治家になったのは金儲けのためではなかったのか。そうも思いたくなる成金ぶりである。

 ポストは、菅の髪が96年当時と比べて、かなり増えていると指摘している。たしかに写真で見る限りそう見える。何があったのか? (文中敬称略)

【巻末付録】

 まずは現代から。

「よみがえる発禁本!『100万人のよる』の封印写真たち」。昭和31年から約10年間出ていたのか。私の青春真っ盛りだったな。お世話になりました『100万人のよる』。

「小田飛鳥、本誌出身のセクシー番長-迫力ヘアヌード、ここまできた!」

「<袋とじ>「平凡パンチ」のマドンナ・ヌード傑作選 関根恵子、麻田奈美、由美かおる、原悦子、ひろみ麻耶」。やっぱり関根恵子が衝撃だったな。

 さて、今週のポストはすごいぞ!

 巻頭からいくぞ。

「観月ありさ、美脚の女神、降臨-美しき8頭身ボディで魅せた」「秋吉久美子『調書』ヌード-映画女優の半生を雄弁に物語る美しき裸身」。調書というのがよくわからんが、秋吉よかったな~。

「地方局女子アナご当地の女傑たち/地元民に愛されつづける全国の女傑アナ」。ヌードではありません。

 袋とじ「奇跡の乳、女神たちの豊穣-たわわに実った袋とじ 麻田奈美、アグネス・ラム、かたせ梨乃、宮崎美子」

「なをん。/フミカ-Who・me?」「福井セリナ、白衣の下のリアルな私-日本一セクシーな薬剤師」

「竹内渉、見返り美尻-鍛え抜かれたお尻を武器に活躍するお姉さんグラドル」

 今週は質量ともに現代を圧倒したポストじゃ。

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2020/09/21 21:00
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