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大統領選報道メディアに見る「分断」の歴史 戦後75年とバイデン、トランプの人生

文=Saku Yanagawa(サク・ヤナガワ)

最先端メディアテレビを利用したケネディ

 また新たに導入されたテレビ討論会においても、ケネディ陣営は新興メディアであるテレビを徹底的に研究し、当日濃紺のスーツで登場し、白黒のテレビ画面の向こうの視聴者に力強い印象を与え、またメイクアップをすることで人柄の良いイメージを電波に乗せてみせた。

 実際、メイクを施さなかったニクソンとの差は歴然で、当時音声のみのラジオで討論を聞いていた有権者の多くが“ニクソン優勢”と答えたのに対し、テレビで観ていた人々のほとんどが“ケネディの勝利”と答えたという言説が残っている。

 翌年、大統領に就任したケネディはご存じの通りダラスでの凶弾によって。志半ばでその生涯に幕を閉じるが、うごめき出した時代の中で公民権法成立にも尽力したと言われている。

 そして、このカウンターカルチャーの時代に青春時代を過ごしたケネディの「次の世代」が第二次世界大戦中から直後に生まれたいわゆる「ベビーブーマー世代」(日本でいうところの団塊に近いか)である。

 今回の大統領選の候補者のジョー・バイデン(1942年生まれ)とトランプ(1946年生まれ)はまさにこのベビーブーマー世代で、60年代のヒッピームーブメント、ベトナム反戦運動を経験している。

 このいわゆるベビーブーマー世代で最初に大統領になったのが、トランプと同じ46年生まれのビル・クリントンだ。92年の選挙で現職のブッシュ(父)を破り大統領に就任した同じく民主党の若きホープは、実は高校生だった63年、ホワイトハウスに招かれ当時の大統領・ケネディと握手をしたという秘話も持つ。

 圧倒的に現職が有利とされる大統領選において、しかも湾岸戦争直後という支持率の高さが伺えた92年の選挙でブッシュを破ったクリントンは、若きカリスマとメディアにも大きく取り上げられた。

 そんなクリントンの選挙スローガンのひとつが「It’s the economy, idiot(経済だよ、馬鹿野郎)」である。これは経済対策を優先しない当時のブッシュ政権への批判であり。自身の政策を指し示す一種のマニフェストでもあった。これが今回コロナ対策より経済活動を優先させることを主張してきたトランプの政策と、重なる部分もあり興味深い。ただ、トランプが富裕層に対し減税を行なってきたのに対し、クリントンは彼らへの税率を引き上げるとともに「“忘れ去られた”中間層」というキャッチフレーズを用い、中間層に対しては減税を行なった。

 選挙戦を制したクリントンは翌年に行なわれた自身の就任式では、彼がキャンペーンソングとして用いたロックバンド、フリートウッドマックの”Don’t Stop”をその日に再結成した本人たちが歌い上げたし、マイケル・ジャクソンにチャック・ベリー、リトル・リチャード、バーブラ・ストレイサンドといった、錚々たるセレブリティたちが駆けつけ華を添えた。メディアもそれらをまさに「アメリカン・ドリーム」的に描き大衆の心をつかもうとした。

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