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三菱UFJ R&Cほか冬のボーナス減少はほぼ確実と予想…来年は正社員の給料減額も覚悟か

冬のボーナスほぼ減額確実の理由

三菱UFJ R&Cほか冬のボーナス減少はほぼ確実と予想…来年は正社員の給料減額も覚悟かの画像5
※厚生労働省の「毎月勤労統計」から筆者作成

 最後に表4。夏冬のボーナスの動きだ。2020年夏のボーナスは前年比で0.5%の減少にとどまっている。これは、ボーナスに企業の業績が反映されるまでに、半年程度のタイムラグがあるためだ。つまり、夏のボーナスには新型コロナの影響は大きく出ていないということになる。

 しかし、冬のボーナスについて例えば三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは、前年比10.7%の減少を予想している。

 同社では、「夏のボーナスは、支給状況の大枠が決まる春闘が感染症の本格的な流行前に妥結したこと、ボーナスの支給のタイミングが流行の長期化を見通せなかった6~7月だったことなどから、夏のボーナスの落ち込みは比較的軽微にとどまった」としている。

 給与やボーナスに企業業績が反映される、つまり景気動向に反応するのは、前述の通り所定外給与がもっとも早く、次いで、ボーナス、所定内給与の順となる。従って、一般労働者の所定外給与の戻りが遅いという事態は、ボーナスに波及する可能性が高い。

 つまり、冬のボーナスが減少するのは、“ほぼ確実”だと言えよう。さらに、所定内給与への波及も懸念される。20年の春闘では新型コロナの影響が、まだ大きく現れておらず、感染拡大も長期化するとは見られていなかった。

 しかし、すでに新型コロナの影響が長期化し、所定外給与の戻りが鈍く、ボーナスが減少すれば、来年の春闘で所定内給与が増加するのではなく、減少する可能性もある。所定内給与は現金給与総額の約75%を占めている。前述したように、新型コロナによる景気悪化が給与に影響するまでにはタイムラグがあるため、給与の減少が本格化するのはこれからになる。

 新型コロナの感染拡大は、身体的な危険性だけではなく、給与の減少という生活悪化に直結する影響もまだまだ、これからも続く可能性があるのだ。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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最終更新:2020/11/27 15:00
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