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『35歳の少女』と『日本沈没』に通底する「暗い話を見たくない」の障壁 テレビドラマも“コロナ禍”意識が必須か

『35歳の少女』と『日本沈没』に通底する「暗い話を見たくない」の障壁 テレビドラマもコロナ禍意識が必須かの画像1
『35歳の少女』公式サイト

 今もっとも「数字が取れるドラマ枠」と言われているTBSの日曜劇場。注目枠ということもあり、早くも来年10月スタートのドラマが『日本沈没―希望のひと―』だと発表された。小松左京による同名小説を原作に、主演を小栗旬が務めるという。

 この発表にSNSやネット掲示板の書き込みは荒れに荒れた。“原作モノ”は往々にしてその原作ファンから不安視されることも多い。しかし、同作に寄せられた声は「こんな時代に見たくない題材」「見たら余計暗い気分になりそう」といったものが非常に多い。

「コロナ禍で国民全体が疲弊していますから、フィクションであれ悲劇的なもの・暗いトーンの物語に抵抗感を覚える人が増えても不思議じゃない。『日本沈没』という字面が、今の視聴者にはより重たく伝わったのでしょう。実際の放送は来年10月ですから、その頃には世間の雰囲気も好転しているかもしれないし、今ある批判的な意見はそんなに気にしなくてもいいかもしれない。ただ、コロナ禍における“暗いストーリーへの抵抗感”をもろに受けてしまったのが『35歳の少女』(日本テレビ系)です」(テレビ誌ライター)

『35歳の少女』は現在土曜22時に放送中の柴咲コウ主演ドラマだ。柴咲演じる不慮の事故に遭い長い眠りについた10歳の少女が、35歳になって目を覚まし、周囲の変化に戸惑いながらも家族や恋人と向き合っていくヒューマンドラマだ。2011年に大ヒットした『家政婦のミタ』のスタッフが集結したこともあり期待値は高く初回は11%を超えたものの、以降は9~7%台にとどまっている状況だ。

「回を重ねるごとに“鬱展開”が加速していき、ネット上でも『見ていられない』『暗過ぎて脱落した』という声が多い。脚本家はヒットメーカーの遊川和彦さんで、もともと鬱ドラマの名手。日本テレビも“時代に合った鋭い切り口のドラマを作る”という明確な方向性を持っていたに違いない。しかし、コロナという予測できないアクシデントが起こってしまい、時代の雰囲気にそぐわなくなってしまったのかなと。これがテレビドラマの難しいところですよね。『家政婦のミタ』の頃も東日本大震災のあとでしたが、物語は暗いながら勧善懲悪的な部分があって、それが社会の暗い気分をスカッとさせてヒットに繋がったんだと思います。『35歳の少女』にはそれがないんですよね」(前同)

 今年大ヒットを飛ばした『半沢直樹』(TBS系)もまさに勧善懲悪。暗い時代にはやはり「悪いやつを懲らしめる」的なストーリーのほうが受けるということなのだろうか。

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