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宮下かな子と観るキネマのスタアたち第4話

新型コロナで揺れる今こそ見たい『蒲田行進曲』! 偽りを真実に変える芝居の力強さにワクワクが止まらない

新型コロナで揺れる今こそ見たい『蒲田行進曲』! 偽りを真実に変える芝居の力強さにワクワクが止まらないの画像1
『蒲田行進曲』(イラスト/宮下かな子)

 新年、あけましておめでとうございます! 宮下かな子です。

 2020年は、世の中が大きく変動した忘れられない年となりましたね。まだまだ予断を許さぬ状況が続いておりますが、皆さまどうかお身体ご自愛くださいませ。今年も、笑顔溢れる、幸多き一年となりますように。そして私も、お仕事を通して皆様の笑顔のお手伝いができるよう、より一層頑張ります! 今年もよろしくお願い致します。

 それでは映画紹介、張り切ってまいりましょ~!

 年初めにふさわしい、とびきり明るい、エンターテイメントの夢あふれる作品をご紹介したいなと思い、今回は、深作欣二監督『蒲田行進曲』(1982年松竹)に致しました!

〈あらすじ〉
舞台は京都撮影所。映画スターの銀ちゃんこと倉岡銀四郎と、そんな彼を慕う大部屋俳優のヤス。ある日銀ちゃんは、自分の子を授かった売れない女優・小夏をヤスに押し付け結婚させようとして……。

 初めてこの作品を観たのは大学の演劇の授業でした。ちょうどその時の私は、この世界にようやく片足だけ踏み入れたような状態で。タイトルでもある「蒲田行進曲」の陽気なオープニング曲に胸を高鳴らせ、撮影所の風景、その煌びやかな世界に夢中になって観ていました。

 この仕事をしていると、関係者同士でこの映画の話題になることが度々あります。一番好きな映画がこの作品! という方も多く、そのくらい映画業界に大きな影響を与えた作品です。

 今はこの作品、NetflixやHulu、Amazonビデオ等で観られるんですね。便利な世の中だなぁ~。いつも配信サービスにない作品ばかり紹介してしまっていますが、今回はさまざまな配信サービスでも観られますから。是非皆さんにも観て頂きたい一本です。

 この映画の良さはやはり、映画撮影の裏側を舞台に、剥き出しの人間模様をコミカルに描いているところ。その中での登場人物のキャラクター造形は圧巻です! 全て語り尽くすのは難しいので、ここではメインである3人のキャラクター像に焦点を当て、その関係性の絶妙なバランスをご紹介していこうと思います。

 さて、あらすじを読んで頂くと、“自分の子を授かった売れない女優を押し付け……”って……どんな男ですか! ってツッコみたくなると思いますが、風間杜夫さん演じるこの銀四郎って男、もう本当に自分勝手な男なんですよ!!!

 撮影ではライバルとカット数を競い合い、自分よがりな芝居をし、女の子には目がなく、飲み屋の席では暴れまくる。そして自分の子を身籠った小夏を、舎弟のヤスに押し付ける始末。聞いただけでもう危険人物ですよね。

 破天荒な男でありながら、しかし根底では子供のように震えている弱さが見えるのが、この人物の愛される魅力です。自分自身の存在を確固たるものにはできないこの世界。移り変わりが激しい中で、スターがスターで居続けるためのプレッシャー。映画ではコミカルに描かれていますが、銀ちゃんの抱えているものは、きっと相当大きなものです。

 そんな彼を、みんな「銀ちゃん銀ちゃん」と慕い、支え続ける。こういう、周りの人が放っておけない人間性も、もうスターなんですよね。蹴飛ばしたくなるくらい腹立つ行動も多々あるのですが、きっと実際に、銀ちゃんが自分の身近にいたら、何とかしてあげなくちゃ! って動かされちゃうのかもしれません。人の真ん中に立っている人って、周囲の人を動かす力がある人なんだろうなって、銀ちゃんを見ていると考えさせられます。

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