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日本テレビは“日テレ”を過信しすぎている──『ネタフェス』の失敗と『M-1』恋愛ネタの賞味期限

文=タカ&ユージ(たか・あんど・ゆーじ)

日本テレビは日テレを過信しすぎている──『ネタフェス』の失敗と『M-1』恋愛ネタの賞味期限の画像1
『NETA FESTIVAL JAPAN』(日本テレビ系/1月4日放送)

お笑いブームがいよいよ極まってきている。ただただ楽しく観るのもいいが、ふとした瞬間に現代社会を映す鏡となるのもお笑いの面白いところ。だったらちょっと真面目にお笑いを語ってみてもいいのではないか──というわけで、お笑いウォッチャー・タカ&ユージが気になる動きを勝手に読み解く!

タカ あけましておめでとうございます。いきなりなんですけど、正月特番『NETA FESTIVAL JAPAN』(日本テレビ系/1月4日放送)がめちゃくちゃひどかったです。

ユージ あけましておめでとうございます。年末年始の大型ネタ番組の中でも群を抜いてヤバかったですね。

タカ 日テレの悪いところが全部詰め込まれてました。「これは誰でしょう」ってクイズでめちゃくちゃ引っ張って正解がしずるの村上だったところが一番地獄でした。村上にとっても地獄すぎる。漫才師に『鬼滅の刃』のコスプレさせる企画も最悪でした。タイムマシーン3号にトム・ブラウンって、メンツが『有吉の壁』(日テレ)っぽいんですよね。KOUGU維新のヒットに気を良くして思いついた企画なんでしょうか……。

ユージ 『有吉の壁』の「なりきりの壁」みたいな企画もやってましたね。あれは本来、ほかの芸人と有吉のガヤありきで成立してるんだからパーツだけ持ってきても面白くなるわけじゃない。『ネタフェス』のMCにも有吉は入ってましたけど、当然『壁』のときとはノリが違うんだから。

タカ 日テレは日テレの番組を過信し過ぎですよ。『深イイ話』とのコラボとか『ウチのガヤがすみません!』とか、ちょいちょい既存番組の企画入れてきてたけど、誰もそんなに日テレの番組愛してないから!

ユージ アシスタントMCの水卜(麻美)アナと岩田(絵里奈)アナをいじる曲をAMEMIYAが歌わされてたのもすさまじかったです。「これで日テレも安泰でした」で締める歌ネタ、どんな発注してるんだ!

タカ 結局、制作側が芸人の力を信じてないから保険としていろんな仕掛けをのっけたがるんですよね。「自分たちが考えた企画が一番面白い」と思ってるから、こんなことになってしまう。チョコプラ長田×IKKOさんの「香水」のところとか、奇跡的に面白くなってるパートはあったけど、それは番組のおかげじゃなくて出演者の頑張りによるところ。でも番組側は勘違いしていそうです。

ユージ 『ネタフェス』を名乗るならまともにネタを見せてほしいです。結局自分が一番面白かったのはチュートリアルの新ネタでしたもん。スタッフ主導で「面白くしてやろう」という姿勢を見るにつけ、『エンタの神様』の頃から何も変わらないんだなと思います。というか、『エンタ』って改編時期の特番で定期的に復活するじゃないですか。年末にもやっていました。大型特番からレギュラーまでこれだけネタ番組が増えている中で、なぜあんな古いフォーマットをいまだにやり続けるのか、本当に意味がわからない。「逆に面白い」ですらない。

タカ 芸人側も、もうそういうやり方が無理だと示してますからね。年末の『ゴッドタン マジ歌SP』(12月29日放送/テレビ東京)で、ハライチ岩井がまさにそういうテレビスタッフへの不満を歌い上げていました。岩井が佐久間(宣行)さんの前であれを歌えるのは、佐久間さんがちゃんと芸人をリスペクトした上で、番組制作者の役割として芸人の良さを引き出してるからでしょう。

ユージ 『壁』が特番時代に『エンタ』とセットで放送されているときが何度かあったんですよ。番組のパッケージが真逆なのに、なぜ? と思っていました。「ブレイクしそうなキャラ芸人選手権」なんて、あからさまに『エンタ』をバカにしてる企画じゃないですか。

タカ 『壁』も日テレっぽさはありつつ、そことは違うことをしようとしてますよね。とはいえ日テレっぽさに回収されている部分もなきにしもあらずですが。ここでいう「日テレっぽさ」というのは「キャラを求めがち」って意味で、『ウチのガヤがすみません!』とか『THE W』もそうだと思います。

ユージ どっちもフットボールアワー後藤(輝基)がMCですね。『芸人報道』(日テレ/20年12月28日放送)でニューヨークがめちゃくちゃいいことをいっぱい言ってたんですけど、「『ウチガヤ』なんか、大殿様(=トップクラスのMC芸人)がゲスト俳優のために若手にいろいろやらせてる番組」って言われて後藤が苦笑いしてました。

タカ 日テレの中間管理職MCとしての後藤……。「マジ歌」の後藤は面白かったですよ。「マジ歌」を定期的に自分でもやって、周囲にもいじられてるから“芸人”であり続けられているんだと思います。

ユージ 私も「マジ歌」の後藤は好きです。年に1~2回、後藤のツッコミどころを視聴者も共有することで、残りの時間も許容できるようになるシステムがありますね(笑)。話が出たので『THE W』(20年12月14日放送)についても触れておきましょうか。Aマッソのネタが評判が良かったみたいですね。たしかに『M-1』でも『キングオブコント』でもできない、ジャンルレスの『THE W』だからこそできるネタでした。ああいうネタをやるんだ、と意外に思うと同時に、それならもっと精度を上げられるんじゃないかとも思いました。

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