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高校ダンス部に3年間密着したドキュメンタリーの裏側

「もはやスクールカーストは終わった!?」『バブリーダンス』を生み出した高校生たちの新しい価値観

文=伊藤綾(いとう・りょう)

「もはやスクールカーストは終わった!?」『バブリーダンス』を生み出した高校生たちの新しい価値観の画像1
写真/石田寛

 2017年に世間を賑わせた大阪府立登美丘高校の「バブリーダンス」や夏の甲子園大会のコマーシャルで有名になった、高校生たちによる「部活ダンス」。

 部員数が日本全国で4万人を突破し、ひとつの文化として根づきつつある高校ダンス部の日本一を決める大会「ダンススタジアム」に臨むまでを追ったNHK BS-1のドキュメンタリー番組「勝敗を越えた夏」が、ダンスファンだけでなく、ビジネスマンからも大きな反響を得ている。

 そんな人気番組を書籍化した『高校ダンス部のチームビルディング』(星海社)が12月25日に発売となった。映像では表現しきれなかった当事者たちの背景を描いた同書。同番組のディレクターで著者の中西朋さんに、200時間に及ぶ密着取材に見た、いまの高校生たちの姿と理想のチームについて聞いた。

個性を発揮する同調

 NHK BS-1特番枠で放送されているドキュメンタリー「勝敗を越えた夏」。中西氏はその企画・ディレクターとして、2018年初回から3年にわたり、登場する全ての学校への取材を担当した。

 撮影は例年、新チームが結成される春から大会本番が行われる夏まで行われ、2020年9月に放送された『勝敗を越えた夏2020~ドキュメント日本高校ダンス部選手権~』は、第58回ギャラクシー賞上期・奨励賞を受賞している。

 副題の「日本高校ダンス部選手権」とは、国内最大級の高校ダンス部の大会「ダンススタジアム(ダンスタ)」のこと。ダンスタの「夏の全国大会」は参加校が最も多く部活ダンスの頂点を決める大会とされる。

「2分~2分30秒で構成されるダンスの50秒以上が、ダンサー全体の半分以上によるユニゾンで構成されていなければならない」ことがルールで、あえて明確な採点基準を設けず、ダンスのジャンルも自由な点が特徴だ。

 もともとは、1年だけの取材予定だったが、最初の年の放送がブームからの影響も相まって反響も大きく、「おかげさまで『続きを観たい』という声が多く寄せられ、結果的に1年生が3年生になる、3年間で追っていくことになりました」という。結果的に継続した取材をすることになったのだ。

 これまで、さまざまなテレビ番組や映像作品で密着ドキュメンタリーを企画し、ミュージシャンや経営者、映画監督などの活躍の舞台裏や知られざる素顔を撮影してきた中西さん。しかし、取材を始めた頃はダンス部の現場に馴染めなかったと振り返る。

「当初はもう少し違うかたちのドキュメンタリーを想像していたんです。例えば、高校野球だったら甲子園のスター選手が毎年注目されますけど、この企画もそんなスターダンサーが次々に登場するといった、華やかなイメージでしたね。

 それで強豪校のエースたちにインタビューを申し込んでいたんですが、撮られている子も撮られていない子も居心地悪そうで。この感じは何だろうとずっと思っていました。ある学校で、後輩みんなが憧れるカリスマ部員にインタビューをしていたときに、『私だけを撮らないで欲しい』と言われて。これまで取材してきたトップクリエイターの現場ではそういう反応はまずなかったので、なかなかの衝撃でした」

 少数のエースによるパフォーマンスではなく、あくまでチーム全体の実力を見定め、全員が揃えられるギリギリの難易度で最上のアウトプットを追求する部活ダンス。カリスマやスターの素顔に迫ってきたキャリアを持つ中西さんには、そんな現場が新鮮に映ったようだ。

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