トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『ラヴィット!』まるで大喜利番組?

『ラヴィット!』まるで大喜利番組? 麒麟・川島の絶妙な采配「大喜利チャンスだと思わないでください」

『ラヴィット!』まるで大喜利番組? 麒麟・川島の絶妙な采配「大喜利チャンスだと思わないでくださいの画像1
『ラヴィット!』(TBS系)

 テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(7月4~10日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

「伝説のNHKアナが地上波9年ぶりの登場」

 テレビの中にはクイズがあふれている。クイズ番組が多いだけではない。一見そうは見えないところにも、実際にはクイズが潜んでいる。

 たとえば、情報番組ではフリップの一部がいわゆる「めくり」で隠され、番組の進行とともにそれが剥がされていく。そこでは、視聴者は問いと答えがペアになったクイズを見せられていると言ってよい。バラエティ番組でも、CM前には「この後衝撃の○○が!」といった予告があり、CM明けに答え合わせがあったりする。ニュース番組ではすでに出ている野球の試合の結果が、「さて、今日の試合は?」といった問いかけとともに確認される。

 このように問いと正解がペアになったクイズが番組の随所に配置され、視聴者はテレビ番組に引きつけられる。ただし、実際のところ見ている側は、別にその正解を知りたいわけではなかったりする。もったいぶって知らされた正解は、知ったところで何がどうなるものでもなかったりする。少なくとも、「衝撃の○○」は衝撃でもなんでもなかったりする――みたいなことが、『クイズ化するテレビ』(黄菊英・長谷正人・太田省一著、2014年、青弓社)という本で指摘されている。

 なるほど、確かにそういう目で改めてテレビを見てみると、そこにはクイズに見えないクイズにあふれている。たとえば、7日の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)。オープニングから、「伝説のNHKアナが地上波9年ぶりの登場」とナレーションが流れたのだけれど、名前は明言されず。画面に映った顔は「伝説アナ」との文字で隠されていた。その顔のモザイク的なものが外れたのはオープニングから約54分後。正解は青山祐子だった。これはクイズに見えないクイズの中でも典型的なタイプのものかもしれない。正解を知っても「だからなんなんだ」となるところまで含めて。

 あるいは、9日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)。オープニングで今日の出演者が紹介され、「上白石萌音・池田エライザが名曲カバー」「松たか子があのドラマ主題歌」「A_oが話題のCM曲」とナレーションが続く。曲名を明示せず「わかる人にはわかる」言い方にしているところに、密かにクイズ性が潜んでいると言えるだろう。

 もしくは、情報番組。上に挙げた著書ではフリップの「めくり」が指摘されていたのだけれど、実際のところ、近年の情報番組では以前に比べ少なくなっているように感じる。大量のめくりが付された巨大パネルの前でみのもんたが起きたり寝たりしていたのも今は昔。大きなめくりフリップが使われているのは、全国ネットでは『アッコにおまかせ!』(TBS系)くらいだろうか。もちろん、まったく使われなくなったわけではない。たとえば9日の『バイキングMORE』(フジテレビ系)では、記者会見での菅総理の回答の一部が隠されていたりなど、数は少ないけれど一部で同様の演出があったりする。

 テレビの中にはクイズがあふれている。一見クイズに見えないものも、実質的にはクイズだったりする。だが、そんなクイズを大喜利に読み替えているのが『ラヴィット!』(TBS系)だ。

12
ページ上部へ戻る

配給映画