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菅首相も小池知事も脇役ーー「バッハの、バッハによる、バッハのため」の五輪の”開催意義”

国民的歌手・森昌子の不倫騒動と警察沙汰

 今週の第1位は、派手さはないが何やら哀感の漂う歌手の物語である。

 私の青春時代は森進一の全盛時代だった。中でも『年上の女(ひと)』は、私が銀座の年上の女性と付き合っていたから、なおさら忘れがたい。

 今でもその歌を口ずさむと、あの頃の苦い思い出がよみがえる。

 森進一とその当時人妻だった大原麗子が「不倫」(当時はそうはいわなかったが)していたのをスクープしたのは私だった。

 その後、森と大原は結婚し、また離婚して、森進一は森昌子と結婚した。3人の子どもをもうけながら、また2人は離婚してしまった。そのずっと後のお話だ。

 文春で歌手の森昌子(62)と交際していたという年下のファン(45)が、「引退後は一緒にいられるという言葉を信じていた。肉体関係もあったのに、ストーカー扱いされて捨てられた」と告白している。

 森はかつて、山口百恵、桜田淳子とともに「花の中三トリオ」といわれ、日本を代表するアイドルであった。

 百恵は俳優三浦友和との結婚を機に引退し、桜田も宗教に走って芸能界から消えた。セーラー服を着て『せんせい』を歌う彼女も還暦を超えたのだから、醜聞の一つや二つあっても不思議ではないが、何となく哀しみの漂う話である。

 彼女は「家族三人で六畳間の長屋に住む少女。芸能界に憧れていたわけではない」(文春)という。叔母に連れていかれた『スター誕生』(日テレ系)のオーディションに出て、初代グランドチャンピオンになったことで人生が変わってしまった。

 鉄工所に勤める父親と病気がちの母親を助けるため、心ならずも歌手の道を選んだそうだ。次々にヒット曲を出すが、常に、歌手生活を続けていくかどうか悩んでいたようだ。

 交際中に年下のファンAに彼女はこう語ったという。

「ずっと子供の頃から人が信じられなくて、そのまま歌の世界に入って結局無理して我慢できず、結婚すれば辞められると思い、本当に誰でも良かったんだ!」

 その相手が、大原麗子と結婚・離婚していて、女の噂のたえなかった歌手の森進一だった。2人の結婚披露宴はテレビ中継され45.3%もの視聴率を獲得した。

 スッパリ引退したはずだったが、歌手として落ち目になった夫から、集客のためだと強い「復帰要請」があり、再びステージに立つようになった。そうした齟齬が重なり離婚に至る。

 3人の子どもを抱え、養うために彼女ができることは歌うことしかなかった。

 そうやって世界的な人気ロックバンド「ONE OK ROCK」のボーカルTaka(33)、「MY FIRST STORY」のボーカルHiro(27)を育てた。

 彼女も還暦を迎え、2019年3月に「年内で引退」すると、2度目の引退を発表したのである。

 引退の少し前から森のコンサートに通い出したAは、公演中に森が投げた帽子をキャッチした縁で、彼女から声をかけてもらうようになる。マネージャーとも親しくなり、コンサートの物販の手伝いも無償でするうちに、森から「ずっとこれからも一緒だよ 二人きりの秘密だよ 大好きだよ~A」というショートメールが届く。

 それからは火が付いたように毎日数十件に及ぶメールが届いたという。自宅にも招かれ、妻と死別して娘がいるAのために、愛用のバッグをプレゼントしてくれたり、交通費として3万円渡してくれたこともあった。

 先のように、歌手を続けていく苦悩なども、Aに打ち明けるようになっていったという。

「昌子さんは、『引退したらAに会いたいから近くに住むよ』と言ってくれました」(A)

 だが、10月のある日を境に、森からのLINEや電話が減っていき、彼女から「もう辞めよう……疲れた、今までの事、感謝している」というメールが届く。

 2019年クリスマスに引退コンサートの最終日を迎える。Aは、森の心は自分から離れたのではないか、引退までの手伝いとして利用されたのではと疑心暗鬼になり、森に、これまでのやり取りを世間に出して自分が間違っているのかを知りたいと送ると、これまでのやりとりを録音していたのではないのか、恐ろしい!! というメッセージが返ってきた。

 だが、2人で話し合いたいというAの申し出に彼女も応じ、都内のホテルの部屋で話すうちに、「いつしかAさんは全裸にされ、二人は愛を交わし合ったのである」(文春)。また別の日に、Aのスマホに残っているメールや音声を消すという約束で再び会い、また体の関係を持ったという。

 しばらく経った3月3日。渋谷警察署からAの携帯に電話があり、森の事務所がAのストーカー被害を相談していると伝えたというのである。恋人同士からストーカー呼ばわりされたAは、その後、精神的に不安定になり、自宅から出られなくなってしまったという。

 森の事務所は、Aと森が直接連絡を取り合っていたことは認めているが、体の関係は否定している。

 歌手であるよりも、いい母親になりたいという願いはかなえられず、歌うことで子どもを育て、生きてきた森昌子が、引退を機に、止まり木を見つけようとしていたのかもしれない。だがその止まり木は、身を寄せるにはあまりにも脆すぎた。

 森昌子のやり方をすべて是とはしないが、夢を見させてくれた相手とのやりとりを、あけすけに週刊誌に告発するAのやり方は、私には納得しがたいものがある。(文中敬称略)

 

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2021/07/27 14:00
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