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岡野陽一の台頭でクズ芸人が新世代突入? 借金、ギャンブル、遅刻……クズの“美学”とテレビ的需要

ホモソーシャル的ではなくなってきているクズ芸人

岡野陽一の台頭でクズ芸人が新世代突入? 借金、ギャンブル、遅刻……クズの美学とテレビ的需要の画像2
YouTube「ABEMA チャンスの時間」より

タカ もともとクズ需要はホモソーシャル的なものだと思うんです。クズ的な部分を公言することが「男らしい」と見られる、あるいは男性から共感されやすい部分がある。

ユージ あぁ、「俺の友人は破天荒」自慢的なものですね。そういう意味でも、テレビでこんなに盛んに「クズ」を取り上げてることへの違和感はあるんですよ。個々の芸人は好きですが。

タカ テレビとしては括れればいいんでしょう。第7世代、6.5世代、若手女芸人、それらと同じように消費している。なんでもパッケージできればそれでよくて、次なる目新しいものが出てきたらそっちに流れていく。

ユージ テレビ側のその理屈と狙いはよくわかるんですけど、「クズ」ってそんなカジュアルに使っていいのか? と思うんです。そしてそれを視聴者としてカジュアルに楽しんでいていいのか。

タカ 番組をつくる側と観る側は昔のフォーマットで捉えるからはやっているのかもしれないですね。でもクズ芸人で括られている側の内実はもうそこから離れていってると思います。今、クズ芸人と呼ばれている人たちはそれぞれの美学があると思うんですよ。借金やギャンブルはするけど人は傷つけない、というような。

ユージ 岡野の「クズの掟」じゃないですか。「その一:人を殺めない、その二:遺伝子を残さない」。

タカ それ、すごいですね(笑)。

ユージ 『空気階段の踊り場』(TBSラジオ/2018年9月28日放送)で言っていました。もぐらが第一子出産の立ち会いのために欠席して、そのピンチヒッターだったから「子を成すなんてあいつはクズの掟を犯している!」というようなくだりだったんですけど。

タカ それがボケであっても、深みがありますね。社会のマジョリティが当たり前のように思っていることが自分にできなくて、それによって世の中へのうらみつらみが増すことってあるじゃないですか。そうじゃなくて掟をつくることで自分を保つ方向にいってる。

ユージ 岡野が台頭してきたことで、クズの括りが成立するようになったと思っています。

タカ もぐらという存在も後押ししているでしょうね。もぐらってやっぱりポップでキャッチーなんですよ。自分ではそう思ってないんでしょうけど。

ユージ 一貫して、社会的に苦労してきた人の目線を持ってますしね。

タカ 優しい感じがある。そのあたりは2人とよく共演しているザ・マミィの酒井もそうかな。最近のクズ芸人ってあんまりミソジニーがないですよね。そう考えると、優男でクズっていう相席スタート・山添はちょっと特殊かもしれません。それでも女性を傷つけている感じはしないけど。

ユージ 傷つけてはいなくとも、色事としての女性に関しては対等な存在として見てないのでは? 

タカ これはなんとなくになっちゃいますけど、山添からは甘えを感じるんですよ。それが対等に見てない感じなのかもしれないですが。

ユージ あぁ、甘えはたしかに。

タカ 相方のケイちゃんも手玉にとってる雰囲気があるし。そういう共依存ぽさが似合ってるコンビだと思う。

ユージ 同じく女性関係のクズ芸人枠だったさらば青春の光・東ブクロが今やその方面でまた笑えない感じになってるので、山添も気をつけてほしいです。

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