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岡野陽一の台頭でクズ芸人が新世代突入? 借金、ギャンブル、遅刻……クズの“美学”とテレビ的需要

「踏んでもいい人間」岡野陽一が提示する “思想”

岡野陽一の台頭でクズ芸人が新世代突入? 借金、ギャンブル、遅刻……クズの美学とテレビ的需要の画像3
岡野陽一 人力舎 公式サイトより

タカ それと、今さらクズキャラとしてテレビで取り上げられることもないけど、霜降り明星の粗品もギャンブルと借金はすごいですよね。

ユージ パチンコや競馬、ボートレースが好きで、SNSやYouTubeではたびたび借金話をネタにしています。

タカ 岡野やもぐらは自分の価値観でクズであるけど、粗品に関しては“抵抗”としての振る舞いを感じます。第7世代は比較的新しい価値観を見せるところに需要があるけれど、その枠組みに入れられることに対して昔帰りすることで抵抗しているというか。

ユージ 岡野やもぐらは第7世代なんて言葉が生まれる前からずっとこうですからね。粗品ももともとギャンブル好きなんでしょうが、売れて賭ける額が大きくなったこともあって、自身のクズさを強調する身振りに受け取れてしまう。

タカ 昔、萩本欽一が「人生ではいいことも悪いことも同じくらいあるから、ギャンブルで負けておけば、それ以外のこと(笑いや芸事)はうまくいく」みたいなことを言ってたのを思い出しました。粗品は弱さを見せられないがゆえに、自分を保つ方法としてギャンブルに張り込んでるのかな、と。

ユージ 粗品のそういう面は「横山やすし師匠のようだ」と評されることがたまにあるんですけど、本人としてはお酒はそんなに飲まないことからあんまりピンとこなかったようで、ラジオで「Wヤングの軍治師匠に憧れてる」と言ってました。ギャンブルと事業の失敗で多額の借金を抱えて自死された昭和の漫才師ですね。

タカ いわゆる破滅型といわれるような、昔の芸人への憧れは公言してるんですね。そこはほかのクズ芸人と一線を画してる。岡野やもぐらから「芸人たるもの」みたいな意識は感じないじゃないですか。

ユージ 岡野からは、「侮っていい人間が目の前に現れたとき、君はどうする?」という問いかけを感じます。「踏んでもいい人間、岡野陽一です!」「ギリギリ人間の形を保ってるだけの肉」って、「腰が低い」の域を超えて侮らせに来てるじゃないですか。

タカ 岡野はずっとそういうネタをやってますよね。コンビ時代に「キングオブコント」決勝で披露した「おじさんをつくるおじさん」もそういうところがあった。ああいうネタをやるには自分がどうあるかが切り離せないから、一貫して自分の“思想”があることが見て取れます。お金持ちの彼女と、今後どうなっていくんでしょうねぇ。

ユージ 1階ロミオとタワマンジュリエットですね(『空気階段の踊り場』アフタートーク(20年11月14日回)。

タカ 引き裂かれるんだ(笑)。でも真面目にとらえると、今まで思想でクズをやってきたからこそ揺るがされるんですよね。自分が経済的に恵まれていいんだろうかと。

ユージ 富める岡野は岡野でいられるのか、と。どこまでいっても変わらなさそうですが。

タカ&ユージ(お笑いウォッチャーコンビ)

お笑いウォッチャー。タカの好きな番組『有田ジェネレーション』(TBS系)、ユージの好きな番組『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)。

たかあんどゆーじ

最終更新:2023/02/22 11:48
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