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関西バラエティ番組事件簿

M-1初戦で格の違いを見せつけたモンスターエンジン『マルコポロリ』で見せていた覚悟

文=田辺ユウキ(たなべ・ゆうき)

M-1初戦で格の違いを見せつけたモンスターエンジン『マルコポロリ』で見せていた覚悟の画像1
(『お笑いワイドショー マルコポロリ!』(関西テレビ)ウェブサイトより)

 全国で人気のタレントを多数輩出し、またローカル番組らしい味わいがクセになる、関西制作のテレビ番組に注目する連載「関西バラエティ番組事件簿」。

 今回取り上げるのは、関西テレビの『お笑いワイドショー マルコポロリ!』(毎週日曜日放送)。東野幸治が司会をつとめる同番組は、2006年4月よりレギュラー放送がスタート。芸能界や社会の裏ネタの張本人や関係者に芸人レポーターが取材。噂の真相について、“ポロリ”と口を滑らせてスクープを狙うバラエティーだ。

 看板コーナーは「ポロリ!バス」。芸能人を出待ちし、「次の仕事先まで送り届ける」という名目で大型バスへ連行。乗車中、質問に答えていってもらう。映画やテレビ番組などのプロモーションも兼ねているため、インタビューキャンペーンなどで来阪中の大物芸能人が多数登場。コーナーとしての影響力も大きいため、映画、舞台などの宣伝業界では「ポロリ!バスへのブッキングがうまくいけばプロモーションとして成功」との意見もある。

東野幸治の要求のまま、神々のネタをやり続けたモンスターエンジン

 9月26日の放送では、「まだまだやれるぞ!中堅芸人SP」と題して、若手でもベテランでもない、絶妙に難しいポジションに立っている、なすなかにし、モンスターエンジン、ミサイルマンの3組が出演。紆余曲折の道のりやコンビ仲などについて語られた。

 特に筆者が注目したのが、モンスターエンジンだ。代表的なネタは、上半身裸で黒タイツ、頭には王冠、ジョジョ立ちで繰り広げるショートコント「神々の遊び」。07年『オールザッツ漫才』(毎日放送)では同ネタで優勝し、翌年『あらびき団』(TBS系)での披露を機に全国的に大ブレーク。

『マルコポロリ!』では、『あらびき団』でも司会を担当した東野が、番組スタッフを通して「神々の遊びを期待している」とモンスターエンジンに伝え、ことあるごとに同ネタを要求。ほかのネタができなかったことが明かされた。

 モンスターエンジンはブレークイヤーの08年、結成2年目で『M-1グランプリ2008』(テレビ朝日系)の決勝に進出した実力コンビ。漫才師としてアピールしていきたい時期だった。それでも、たとえば番組のボウリング企画で場違いなそのコスチュームでプレーが求められるなど、世間の印象はモンスターエンジン=神々に。神々の遊びのネタを締めくくる際「ありがとうございました、とお前らが言え」と客に対して神目線の台詞を言い放つが、それを学園祭で披露したときには、女性大学生が感無量で泣きながら「ありがとうございました」とこぼすなど、冗談も通じないほど熱狂的な支持を集めた。モンスターエンジンの「漫才が見て欲しい」という気持ちとは裏腹な状況になり、ジレンマが膨らんでいった。

 10年からは『ピカルの定理』(フジテレビ系)にレギュラー出演したが、13年9月での番組終了によって人気は下降線をたどり始める。モンスターエンジンの西森、大林が話した「よく分からないまま始まって、終わっていった」という感想は、テレビで爆笑をあつめていきなり人気者になったお笑いコンビの現実をあらわしていた。

 大林が趣味としてDJにハマっているとあって、『マルコポロリ!』出演が決まった際に際番組スタッフから「DJをやってください」とリクエストがあったそうだが、それをはっきり断ったという。スベりそうな予感があったのかもしれないが、それより何より、言われるがまま“神々の遊び”ばかりやっていたかつての苦い経験から、「自分たちがやるべきことをやる」という強い気持ちがあったのではないか。

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