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「エゾウイルス」北海道大学が新たなウイルス発見。マダニの解析技術の発展で

北海道生息の動物から検出

 その後、北海道内の野生動物におけるエゾウイルスに対する抗体調査を実施したところ、エゾシカ、アライグマで抗体陽性個体が見つかった。また、北海道内のマダニにおけるエゾウイルス遺伝子調査を実施したところ、オオトゲチマダニ、ヤマトマダニ、シュルツェマダニがエゾウイルス遺伝子陽性を示した。

 これらの結果は、エゾウイルスがほかのナイロウイルス同様にマダニによって媒介されるウイルスで既に、北海道に定着していることを示している。

 同研究グループでは、エゾウイルス感染症(エゾウイルス熱)は日本国内では初めて確認されたナイロウイルスによる感染症であり、ナイロウイルスのほとんどはマダニの吸血によって媒介されるウイルスで、エゾウイルスも同様にマダニの吸血によって体内に侵入すると考えられる。「エゾウイルス熱の主症状である発熱や血小板減少などは、同じくダニ媒介性感染症であうSFTSや回帰熱に類似しているため、診断を目的に各地でエゾウイルス検査体制を早急に整える必要がある」と警鐘を鳴らしている。

 さらに、「研究は北海道のみを研究対象としたが、本州の一部地域で実施した調査では野生動物からエゾウイルス特異抗体が確認されており、北海道以外の地域でもエゾウイルス熱患者が発生する可能性がある」と指摘している。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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最終更新:2021/10/07 13:00
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