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名古屋市大が“世界三大疼痛”尿路結石のあらたな予防法を発見!

文=鷲尾香一(わしお・こういち)

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 宇宙飛行士がなりやすい病気に「尿路結石」があるのをご存じだろうか? この尿路結石、実は治療薬がない非常に厄介な病気だ。名古屋市立大学はJAXA(宇宙航空研究開発機構)とNASA(アメリカ航空宇宙局)との共同研究で、骨粗鬆症治療薬が宇宙での尿路結石予防に有効であることを証明した。

 尿路結石は、「世界三大疼痛」と呼ばれるほど強烈な背部痛を引き起こす疾患。尿路結石は腎臓で形成され、それが下降すると尿管(尿の通り道)が詰まることで痛みを引き起こす。適切な処置を行わないと、腎不全や尿路感染症の悪化を引き起こし、命にも関わる。

 治療法は、結石のサイズが小さい場合は体外への自然排石を待つが、排石できないほどサイズが大きい場合は衝撃波やレーザーを用いた破砕手術を行う。

 しかし一度身体から結石が取り除かれても、50~60%が10年以内に再発するため、砕石手術だけでは再発を防ぐことができない。現在、結石のもっとも有効な再発予防法は「水分の多量摂取」であり、これは約2000年前のヒポクラテスの時代から全く変わっていない。

 宇宙空間では、微小重力によって骨への荷重負荷が低下し、骨から溶け出したカルシウムが尿に流れ込んで「尿路結石のリスク」が高まるため、宇宙飛行士は尿路結石ができやすい職業だ。

 特に宇宙飛行士は、宇宙飛行の開始時には水分摂取を行う時間がなく、無重力によって体内の水分が頭部に移動するなどの宇宙空間特有の変化によって、1日尿量が50~75%にまで減少する。これは宇宙飛行士に尿路結石ができやすくなる。ひとつの要因であると考えられている。

 また、宇宙空間での骨密度の減少は、閉経期の女性の10倍のスピードで進むと言われている。

 名古屋市立大学らの研究グループは、08年に宇宙空間(微小重力環境)をモデル化した長期臥床(寝たきり状態)が尿路結石の形成を促進し、骨粗鬆症治療薬ビスホスホネート製剤が、結石形成を予防できることを報告した。

 JAXA・NASA と共同で行った研究では、09年以降に国際宇宙ステーションに約6カ月搭乗した宇宙飛行士に宇宙飛行の間、抵抗運動機器(ARED)を用いた運動とビスホスホネート製剤の服用を行い、宇宙飛行の間の尿中の結石リスク因子と骨吸収マーカーの変化を調べた。

 その結果、ビスホスホネート製剤を服用しなかった10名の宇宙飛行士は、宇宙飛行の開始ともに骨吸収マーカー、カルシウム・シュウ酸・尿酸の尿中排泄が増加したのに対し、ビスホスホネート製剤を服用した7名の宇宙飛行士はそれらの排泄がいずれも低下することを見出した。

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